食と健康学“チュウルイ島 マリモ育成へ”

　　　
　「保護と観光両立」北海道・釧路市 　

　釧路市教委は来年度、阿寒湖(釧路市阿寒町)北部のチュウルイ島で、
国の特別天然記念物マリモの育成試験を始める。
同島にあるマリモ展示観察センターは湖内の天然マリモを採取して
展示しているが、将来的には育成マリモを活用。
天然マリモの採取を極力減らし、資源保護につなげる狙いがある。
釧路市はマリモが生息する阿寒湖の世界自然遺産登録を目指しおり、
マリモの保護と観光資源としての展示活用を両立させ、
　　　　　　　　　　　登録への弾みにもしたい考えだ。

　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　マリモ展示観察センターは文化庁の許可を得て
群生地で採取した約150個のマリモを展示。
毎年約9万人の観光客が訪れる。
展示するマリモは数年間同じ物を使うが、
経年劣化などでひび割れしたり、砕けた際、これまでは新しい
天然マリモを採取し、補充してきた。

　育成試験では砕けるなどしたマリモを
絹糸でしばってまとめた上で、流れないようにネットで囲った湖の
浅瀬に沈め、再生を促す。
育成地は「マリモと触れ合い、学ぶ場」と位置づけ、
資源保護の普及啓発にもつなげたい考えだ。
釧路市教委マリモ研究室の若菜勇室長は「試験には多くの市民に参加してもらい、
阿寒湖の自然を守る市全体の機運を高めたい」と話している。

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