山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
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「ソチへ着地ばっちり」2013年12月
ノルウェーのリレハンメルでジャンプ女子の個人開幕戦(HS100㍍)があり、
個人総合連覇を狙う高梨沙羅(クラレ)が1回目102㍍で首位に立つと、
2回目も96・5㍍を飛び、計286・0点でW杯通算10勝目をあげた。
伊藤有希(土屋ホーム)が17位。
「冬は楽しい。試合をずっと楽しみにしていた」。
待ちわびていた冬のシーズン。
そんな思いをはじけさせるように高梨が勝った。
1回目に成長のあとを見せた。 HSを超える大ジャンプで、
課題のテレマーク姿勢をきっちり決めた。 飛型点は1回目が57・5点、2回目が57・0点。
いずれも全選手中トップだった。
「ファースト・コンタクトが重要になる」。
高梨が冬を前にした言葉だ。
「最初に飛んだ感覚が良ければ、その後もいい感触を持ってどんどん飛んでいける」
どんな名手でも、夏から冬のジャンプ台に対応できるかに神経をとがらせる。
夏より速い助走スピードに感覚が狂うことがあるからだ。
高梨は優勝した前日の混合団体に出たことで、「気持ち的に楽になった」。
悪条件のなかで飛び、雪の感覚をつかんだ。
「いい感触で終われたのでしっかり(開幕戦に)臨みたい」。
その言葉を、体現してみせた。
女子ジャンプが初めて行われるソチ五輪が2月にある。
歴史的なシーズンのスタートを、17歳の高梨が文句ない形で切った。
「高梨沙羅笑顔、日本混合V」
逆転で初優勝を飾り、
喜び合う日本チーム
ノルデックスキーのジャンプは6日、
ノルウェー・リレハンメルで男女4選手の合計得点で争う
混合団体(HS 100㍍、K点90㍍)を行い、
2月の世界選手権優勝メンバーで臨んだ日本が
1回目2位から2回目に逆転し、合計942・1点で初優勝した。
日本は伊東有希(土屋ホーム)、伊藤大貴(雪印メグミルク)、
高梨沙羅(クラレ)、竹内択(北野建設)の順番。
1回目で首位のオーストリアに25・1点差だったが、2回目は伊藤が96・5㍍、
伊東が99・5㍍とK点超え。
高梨が100㍍と伸ばし、竹内も100・5㍍を飛んでオーストリアに40・2点差をつけた。
この種目はソチ冬季五輪では実施されない。
「みんなで勝ち取った。興奮した」。
一時は8位に順位を下げながらも、逆転で混合団体戦を制し、
表彰台の頂点から戻ってきた高梨に笑顔が広がった。
2回目は女子で唯一ヒルサイズの100㍍をマーク。
7日の個人戦に弾みをつけた。
団体戦前に予定された個人戦の公式練習が強風で中止。
団体戦1回目が高梨にとって今季W杯最初のジャンプだった。
雪が積もった助走路で、飛び出しのタイミングをうまくつかめずに91㍍。
「滑りが重い感覚。難しくて後半に響いた」と飛距離が伸びなかった。
仲間の飛躍に刺激を受けた。
高梨に続いた竹内が104㍍の大ジャンプ。
高梨は「(竹内)択さん、すごい」と喜び、自信も気持ちを高ぶらせた。
2回目は助走速度も増し、持ち味の高い飛び出しが戻った。
2位だった日本を1位に押し上げるアーチを描き
「納得いくジャンプ」とガッツポーズも飛び出した。
昨季W杯の個人総合女王は、4人が一丸となる団体戦への思いは強く、
「やはりチーム戦は楽しい。良い感覚で終わることができた」。
11月下旬に始まった全日本合宿から状態が良く、シーズン開幕を待ちわびていた17歳。
連日の優勝への視界は良好だ。
「高梨沙羅 2連勝 W杯」
ノルディックスキーのW杯は21日、
ジャンプ女子の個人第2戦(HS 108㍍)がドイツのヒンターツァルテンであり、
ソチ五輪でメダル候補の高梨沙羅が1回目に101㍍で首位に立ち、
2回目に最長不倒の105㍍を飛んで合計226・8点で開幕戦から2連勝、
算11勝目を挙げた。
伊東有希が自己最高の6位、渡瀬あゆみが25位。
1回目を飛び終え、高梨が首をひねった。
「飛び出す時に足で押せた感じがしなかった。上体が浮き上がって突っ込んだ感じ。
かなりのロスが生まれた」。
着地時に腰が落ちる失敗につながった。
ただ、そこから短時間で修正できる。
「同じ失敗をしないようアプローチから気をつけた」。
2回目は最長不倒の105㍍まで伸ばし、珍しく右手に力を込めた。
1回目は自ら認めたようにテレマークがきれいに入っていない。
それでも、4人の飛型審判委員が20点満点中、まずまずの17・5点をつけた。
ちょっと控えめな声で、高梨が明かした。
「公式練習でも入れていたので大目にみてくれたのか。アピールはとても大事。
そこは、かなり意識している」
課題のテレマークを改善して勝ちを重ねることで、
いまや「高梨ジャッチ」が生まれつつある。
ライバルが見あたらい中、17歳はしたたかさも身につけている。
朝日新聞 (笠井正基 記者)
「ぶれない高梨沙羅、3連勝」
女子個人第3戦(HS 108㍍)がドイツのヒンターツァルテンであり、
ソチ五輪で金メダル候補の高梨沙羅が開幕から3連勝、通算12勝目を飾った。
96㍍、98・5㍍を飛んで2回とも最高点を挙げ、合計239・9点だった。
ロシアの新星イリーナ・アブバクモワが2位に入った。
伊藤有希が24位、渡瀬あゆみはスーツの規程違反のため予選で失格した。
試合後、高梨の声が一瞬、強まった。
失敗するジャンプが少なくなったことを問われた時だ。
「それを意識してトレーニングしてきたので。安定性を求めて、
何本も何本も同じジャンプが飛べるように練習してきた」
横風が舞う悪条件。
予選免除の高梨は1回も飛ぶことなく試合に挑んだ。
「やることは同じ。バック(追い風)の時は突っ込みすぎると失速してしまうので集中した」。
1回目は飛距離で劣ったが、飛型点でカバーして首位に立ち、2回目もぶれない。
飛型点は2回とも全体のトップだった。
1ヵ月の海外遠征。
日本女子では珍しい長期遠征になる。
思うように練習できず、調子を落とした選手が多い。
だが、高梨は飛ぶ感覚を狂わせていない。
「全日本の練習をやって足りない部分は考えながら(補って)やってきた。
しっかりコンディションを整えられたからジャンプも飛べた」
今年最後の試合を開幕3連勝で締めた。
ソチ五輪が2ヵ月後にくる2014年へ。
「めざしているのはそこですが、それまで試合がたくさんある。
今までより、もっとレベルアップしたい」。
新年の誓いになる。 朝日新聞(笠井 正基 記者)
「高梨沙羅4連勝」2014年1月3日
女子個人第4戦(HS 106㍍)がロシアのチャイコフスキーであり、
17歳の高梨沙羅が232・6点で開幕から4連勝を飾った。
通算勝利数を「13」とし、サラ・ヘンドリクソン(米)の持つ
女子ジャンプW杯の歴代最多記録に並んだ。
1回目に99㍍を飛んで首位に立つと、2回目は96・5㍍で逃げ切った。
0・9点差の2位にカリナ・フォクト(ドイツ)、3位にイリーナ・アブバクモワ(ロシア)が入った。
山田友梨菜は23位、茂野美咲は26位、岩淵香里が30位だった。
吉泉賀子、渡瀬あゆみは上位30人による2回目に進めなかった。
開幕4連勝にも、高梨の顔つきはこわばったままだった。
「結果はよかったが、内容に満足がいかない」
1回目首位で迎えた2回目。
踏み切るときに「突っ込みすぎるクセが出た」という。
着地時に足がわずかに乱れる。
2回目の得点だけなら順位は3位。
今季のW杯4戦で飛んだ計8回のジャンプで、トップの得点を挙げなかったのは初めて。
2位に10点以上つけたこれまでとは違う、辛勝だった。
初めて飛んだジャンプ台をスムーズに攻撃できなかったのは、
かのナポレオンも苦しめられたロシアの冬将軍も影響している。
気温が急激に下がり、会場はマイナス21・3度を記録。
北海道上川町育ちでも、硬くなった体を思うように動かせなかった。
体を温めようと、試合前に口にするものを考えたという。
「なかなか自分のコンディションを(良い方向に)持っていくのが難しかった。
貴重な体験でしたが」と、こぼした。
ヘンドリクソンに並ぶ歴代最多の通算13勝目にも、特別な感慨はない。
「目の前の試合を1戦1戦集中して、
いろんな台に切り替わっても対応していかないといけない」
ソチ五輪まで約1ヵ月。 集大成をかける2014年の初戦は、
多くのことを学ぶ場となった。
「高梨沙羅3位 連勝止まる」1月4日
女子個人第5戦(HS 106㍍)がロシアのチャイコフスキーで行われ、
17歳の高梨沙羅は合計243・1点で3位となり、開幕からの連勝は4で止まった。
1回目に98・5㍍の6位と延びず、2回目も98・5㍍で逆転できなかった。
2回目に最長不倒の101・5㍍を飛んだイリーナ・アブバクモワが、
計249・2点でロシア勢として初勝利を挙げた。
渡瀬あゆみは25位、山田友梨菜は27位。
吉泉賀子、岩淵香里、茂野美咲は上位30人による2回目に進めなかった。
電光掲示板の最上位が定位置だった高梨の名が一つ下がる。
2回目、アブバクモワの大ジャンプが出た後だ。
さらに一つ下へ。
今季初めての展開に、ぼうぜんと立ち尽くした。
女子ジャンプのW杯最多の勝ちを塗り替える14勝目は持ち越しになった。
それより、課題を克服できなかったショックが大きい。
「1本目は(踏み切る)タイミングが早くて突っ込み気味になった」。
今季、トップ以外で初めて迎えた2回目も修正できなかった。
「遅れて最後まで持って行くのが苦しかった感じ」。
消え入りそうな声で分析した。
ここのジャンプ台は助走路が緩やかなため、
「体のかかる圧を感じにくい」と多くの選手がいう。
だから踏切を合わせにくい。
「期間内にミスを直せなかったのは自分の技術の問題」。
ロシアで迷い込んだ悩みは深い。
それでも、昨季のW杯から11戦続けて表彰台の一角には立って見せた。
ソチ五輪が約1ヵ月後に迫るなか、
ある意味、勝ち続ける重圧から解放されたと言っていい。
次は札幌、蔵王での4連戦。
「今回出た課題を改善してベストを尽くしたい」。
負けず嫌いの17歳が、このまま黙っているはずがない。
第5戦で優勝した
第5戦で優勝した イリーナ・アブバクモと
3位の高梨沙羅 イリーナ・アブバクモと3位の高梨沙羅
「高梨沙羅に新たな強敵」
ロシア・チャイコフスキーで4日あった女子個人第5戦で、
17歳の高梨沙羅は3位となり、開幕5連勝を逃した。
快進撃を止めたのはロシアの新鋭、22歳のイリーナ・アブバクモワ。
自国で開催される1ヵ月後のソチ五輪では、強敵になる可能性を秘めている。
作曲家チャイコフスキーの生誕地が近いことから名付けられた地で、
アブバクモワは唯一、2本とも100㍍を超え、
ジャンプW杯では男女を通じてロシア勢で初めて頂点に立った。
零下20度の酷寒を苦にせず、跳び慣れた地の利がある。
昨季は個人総合41位だったが、今季、一気に開花。
3位に入り、ロシア女子初のW杯表彰台となった第2戦の後も2位、3位、優勝と、
テレマーク姿勢に不安を残すが、力を発揮できるようになっている。
高梨はこの日の敗因を1回目に踏み切るときに前に突っ込む悪癖が出たと分析した。
ここ2戦で飛んだ4回のジャンプのうち、3回はトップの得点でなく、攻略法を体得していない。
気になるのは、チャイコフスキーの助走路の形状がソチに似ているという指摘だ。
最新の助走路は滑り出してから緩やかなため重力を感じにくく、
踏み切るタイミングのずれにつながる。
14歳から飛び始めたアブバクモワは高梨を「ロボット」に例えた。
正確無比に飛ぶからだという。
負けた高梨は「周りを見てジャンプをしているわけじゃない」。
珍しくプライドをむき出しにした。
高梨の迷いが、ソチのジャンプ台でももたげるようなら、
五輪初代女王の行方は分からなくなる。
ソチのジャンプ台を数多く飛んでいるアブバクモワは
「まだ慣れていないので五輪では1桁順位、できれば6位以内に入れればいい」と
控えめだが、本心はどうか。
答えは五輪で女子ジャンプが初めて行われる2月11日に出る。
「高梨沙羅 W杯 最多14勝」1月11日
ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプは11日、
女子個人第6戦が札幌市宮ノ森ジャンプ競技場で行われ、
高梨沙羅(17)が合計254・5点で2試合ぶりに今季5勝目を挙げ、
サラ・ヘンドリクソン(米)を抜いて歴代最多の14勝目とした。
高梨は1回目に最長不倒の99㍍を飛んで首位に立ち、
2回目に94・5㍍で逃げ切った。
女子個人のW杯は2011年~12年に始まり、高梨はそのシーズンに1勝。
昨季は8勝し、個人総合優勝に輝いた。
この種目は2月のソチ冬季五輪で初めて採用される。
W杯最多優勝に特別な意味を感じていない。
ふるさと北海道であるW杯で初めて勝つことだけに、高梨はこだわった。
「今年は結果を出せないで、寒い中、
足を運んでくれた方に楽しんでいただけたかなと。うれしい」。
実感があふれた。
W杯札幌大会が始まった昨季は12位、5位に沈んだ。
特に初戦は総合優勝したシーズンで唯一、2桁順位となる惨敗。
「残念な思いをさせてしまった」。
ファンの落胆した姿は頭から消えていない。
1回目は去年の初戦と同じように風が舞い、雪が強まった。
女子W杯では珍しく3700人の大観衆。
スタートゲートでは視界がかすんでも、大歓声が耳に入ってくる。
「出る瞬間まで聞いて、いいジャンプをしたいという気持ちを高めた」。
99㍍まで飛び、飛距離も飛型点もトップをたたき出す。
直前にスタートゲートが1段下がった2回目も、最高得点で重圧をはね返した。
「期待されていることは、気にしてくれているということ」とはにかみながら言った。
この種目がソチ五輪で行われる2月11日まで、ちょうど1ヵ月。
大舞台でも、そんな思いに応えられるかが試される。
「着地時のけが、防げるか」
3シーズン目を迎えたスキー・ジャンプ女子のW杯では
待機している救急車が忙しい。
この日の札幌大会は出動しなかったが、
試合のたびと言っていいほど、けが人が出ている。
開幕戦前の練習でカナダの選手がけがをし、第2戦の前にも昨季の
世界選手権銅メダルのザイフリーズベルガー(オーストリア)が着地に失敗。
ひざ前十字靱帯を断裂した。
第4戦ではドイツ選手が負傷して欠場し、
51人エントリーが1人減ったため予選がなくなった。
昨季の世界選手権覇者のヘンドリクソン(米)も、昨夏の大けがからのリハビリ中だ。
国際スキー連盟(FIS)は個々の事例を分析しているが、着地時のけがが目立つ。
運営側でできるのはジャンプ台の安全確保や審判による強風の判断まで。
スタートゲートを滑り出したら、自己責任でけがを防ぐしかない。
男子W杯で歴代最多勝のシュリレンツァウアー(オーストリア)は
「今は設備面で安全だから危なくない」と話す。
男子はW杯の下部大会でふるいにかけられた選手がW杯に挑む。
一方、女子の国際大会はW杯ぐらい。
助走速度を上げて飛距離を伸ばさせるため、
スタートゲートは男性より高く設定されている。
男子より筋肉の弱い女子は、着地時にひざに負担がかかるという指摘もあるのだ。
女子ジャンプは前回バンクーバー五輪の時、
競技人口の少なさや競技レベルの低さから実施を見送られた。
新採用されるソチ五輪まで1ヵ月。
あと7試合残るW杯をけが人なく、乗り切れるか。
そして誰もいなくなった、に近い状態では本番が味気なくなる。朝日新聞(笠井正基 記者)
「高梨沙羅 連勝 15勝目」歴代最多更新
スキー・ジャンプ女子W杯 個人第7戦が1月12日、
札幌市宮ノ森ジャンプ競技場(HS 100㍍)であり、17歳の高梨沙羅が
237・1点で2連勝して今季6勝目とし、歴代最多を更新する通算15勝目を挙げた。
高梨は1回目に最長不倒の97㍍で首位に立ち、2回目は91㍍を飛んで、
2位のコリーヌ・マテル(仏)に17・3点差をつけた。
イリーナ・アブバクモワ(ロシア)が3位、2年前からカナダ代表で活動する
田中温子が自己最高の4位。
伊藤有希が8位、渡瀬あゆみが12位だった。
岩淵香里、茂野美咲、山田優梨菜の他の日本勢は上位30人による
2回目に進めなかった。
力の抜けた高梨にとって今の「強敵」は自然だろう。
「ふぶいて、風も変わった。バーンの状態も良くなかったので、きつい試合」
どう勝つかを求めた。
1回目を飛ぶ前、転倒者がすでに2人いた。
最長の97㍍まで伸ばすと、両足がそろう不格好な着地になった。
テレマークを入れられなかったわけでない。
「転ぶのが嫌だと安全に着地した」と回避したのだ。
そてでも、劣った飛型点を抜群の飛距離で補い、トップに立った。
2回目は、小川コーチが危険性を考えて飛ぶ直前にスタートゲートを一段下げた。
今季の規則変更で、コーチの判断でゲートを下げた場合、
ヒルサイズの95%をクリアしないとゲート点が加わらない。
が、高梨はこの日の基準値の95㍍を下回って91㍍へ。
「ただ、ゲートを下げて飛んだだけとなった。選手は全力で飛んだ」とぽつり。
飛距離を稼ぐか、ゲートを落として確実にいくかの判断は難しい。
ただ、「1回目で大量リードしたから」と判断した小川コーチとの息を、
さらに合わせる必要がある。
連勝の中にも試行錯誤を繰り返し、17歳は集大成のソチ五輪に備えている。
優勝した高梨沙羅のジャンプ
「高梨沙羅 3連勝 16勝目」1月18日
山形県蔵王ジャンプ台(HS 110㍍)で女子個人第8戦があり、
17歳の高梨沙羅が110・8点で今季7勝目を挙げた。
3連勝で通算16勝目とし、ジャンプW杯では男子の葛西紀明に並んで
日本勢最多となった。
高梨は1回目に最長不倒の104㍍を飛んで首位に立ち、
2回目が強風により途中で打ち切られたため、1回目の得点で順位が決まった。
96・5㍍を飛んだ伊藤有希が109・4点で、初の表彰台となる2位に入った。
この種目で複数の日本勢が表彰台に立つのは初めて。
岩淵香里は9位だった。
優勝した高梨沙羅のジャンプ ひやり大飛躍
この日一番の向かい風をもらった高梨。
着地時にはのけぞり、地面に頭を打ちそうになった。
着地が決まらなかったのでジャンプ台記録にならなかったが、
あわや大けがという104㍍の大ジャンプだった。
自身28試合目となる表彰台に、初めて日本人とともに上がった。
高梨は「中学生のころから遠征でお世話になっている先輩と表彰台に上がれてうれしい」。
初表彰台の伊藤と肩をたたき合って喜んだ。
表彰式で笑顔を見せる高梨沙羅と
伊藤有希
急成長19歳伊藤有希、台攻略
毎年、荒れる蔵王W杯。 今年も強風のため2回目途中で終わった。
「残念。2本飛んだ結果で表彰台に立ちたかった」。
そう口に伊藤が2位と上々の結果を出した。
改修を終えたジャンプ台を攻略できるかが焦点だった。
助走路の形状がソチ五輪の台に似ており、良い練習になる。
「(踏みきり台が)短いと苦手だが、この台は短くない。自分のタイミングで踏み切れる」。
向かい風に恵まれ、96・5㍍。
優勝した高梨とともに、日本女子で初めて複数選手が表彰台に立つ。
昨春、北海道・下川商高から葛西紀明が監督を務める土屋ホームへ。
「成績重視の環境」に変わり、心構えも変わる。
疲れの見えた年始は遠征をやめ、国内で調整。
お尻が下がり気味だったアプローチを直し、
「滑りが安定してジャンプの安定につながった」。
11日の4位を上回り、個人総合で6位につける。
蔵王に来る前、新千歳空港で会った葛西から
史上最年長優勝のW杯トロフィーを触らせてもらった。
この日の結果を報告するという伊藤は「『勝て』と言われると思う」。
認められるには優勝しかないという意識が、成長する19歳の原動力になっている。
朝日新聞(葛西 正基希記者)
「新ジャンプ台 技術勝負」
緩やかなカーブ、踏み切り難度上昇。
助走路がソチ五輪会場と同様の形状に改修された山形市の蔵王ジャンプ台で18日、
スキー・ジャンプの女子ワールドカップ(W杯)が始まった。
飛び出す感覚をいかにつかむか。
五輪を占う戦いにもなりそうだ。
従来の助走路は、スタート位置からしばらく直線の斜面を滑った後、
曲率が一定のカーブに突入し、選手は体に重力を感じてから踏み切っていた。
これに対し、新しいタイプは国際スキー連盟(FIS)の新規格に基づく
「クロソイド曲線」を導入。
スタート直後から緩やかに変わっていくカーブに入るため
助走中に体に受ける重力を感じにくい。
日本で初、海外でもまだ少ないタイプで、重力の反動を使わないため、
「技術の差が出やすい」とも言われる。
17日の練習後、高梨沙羅は「曲線での圧のかかり方が、とても緩やか」と話し、
踏み切るタイミングが遅れないように集中しなければならない難しさを口にした。
海外選手からは「ソチの前にトレーニングを積む機会になって良かった」と、
歓迎する声も上がる。
冷却装置導入、条件、より公平に
助走路が変わったのは、曲線だけではない。
FISのルール改正で、W杯会場の助走路は冷却装置の導入が求められた。
スキー板を滑らすレールの下に不凍液を通すパイプが巡らせ、零下8度以下で管理。
以前は、気温の変化でレールが解けてスピードが落ちるなど、
条件に差が出ることもあったが、公平な条件で競技がしやすくなった。
冷却装置はドイツ製で、蔵王のほか、宮ノ森ジャンプ競技場でも設置された。
改修費は、山形市が助走路のほか周辺施設の改築も含めて6億6千万円で、
札幌市が2会場の冷却装置の整備で約4億円という。
ジャンプW杯で日本勢最多の通算17勝目をあげた高梨沙羅。
右は3位のビグナ・ビントミュラー
「高梨沙羅、W杯17勝」1月19日
ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプは19日、
女子個人戦が山形市で行われ、
ソチ冬季五輪で金メダルを狙う17歳高梨沙羅が127・5点で優勝した。
W杯での通算勝利数は17となり、ジャンプの日本勢では
41歳の葛西紀明を抜いて単独最多となった。
試合は悪天候のため2回目途中で打ち切られ、
1回目に出場選手で最長となる98㍍を飛んで首位となった高梨の優勝が決まった。
今季9戦で8勝となった高梨は
「記録はあまり考えていない。もっとレベルアップできるよう頑張りたい」と話した。
高梨が蔵王の台を2日続けて攻略した。
「自分のポジションでしっかり乗れている。
アプローチが組めているからテークオフでもロスなく出ていけた」。
3週間後の本番へ、弾みを付ける予行演習となった。
昨オフに改修された蔵王のジャンプ台は、
傾斜が宮ノ森などより緩いところが、ソチの台に似ている。
直線から緩やかな曲線、踏み切り台近くまでなだらかな弧を描く。
そのため、助走路を滑っているときは遠心力による圧力を感じにくい。
どのタイミングで踏み切ればいいか。
高梨は「かなり集中しないと遅れてしまう」と警戒していた。
この日はふぶいて視界がかすんだ。
それでも、タイミングはずれない。
スタートゲートを2段下げて助走速度が落ちたにもかかわらず、
最長不倒の98㍍まで伸ばした。
ソチの台には、苦い記憶があった。
一昨年12月のW杯。 初めて飛んだ台で2位、3位と結果は良かったが、
本人は「タイミングを取りづらい」とこぼしていた。
あれから1年余り。
たくさんの台に馴れた17歳にソチW杯の時のような思い詰めた雰囲気はなかった。
「ジャンプ女子3人出発」1月23日
ソチ冬季五輪のジャンプ女子代表でメダル獲得が期待される高梨沙羅、
伊藤有希ら日本チームが22日、成田空港から欧州遠征に出発した。
ワールドカップ(W杯)などの大会を経てソチ入りする。
出発前、高梨は「感謝の気持ちを込めてソチで頑張りたい。
自分のベストを尽くしたい」と抱負を語った。
今季W杯9戦8勝の高梨だが
「まだまだ、やらなくてはならないことがたくさんあるので、一つ一つ集中する」と
課題克服を強調。
伊藤は「メダルを取ってこられるように集中する」と意気込んだ。
山田優梨菜を含めた五輪代表の3人はスロベニアなどでW杯計4戦、
イタリアでの世界ジュニア選手権の後五輪本番の表彰台に挑む。
「サラ・ヘンドリクソン 飛躍再開」
昨季の世界選手権で、右膝手術から復帰を目指す
19歳サラ・ヘンドリクソン(米国)が飛躍の練習を再開した。
米国スキーチームの公式サイトなどが21日、伝えた。
初実施されるソチ冬季五輪で金メダルを狙う高梨沙羅の最大のライバルが、
大舞台出場へ前進した。
昨季の世界選手権女王「(復帰)最初のジャンプは世界中で最高の感覚だった
2回目は本当に気持ちがよかった。この日を夢見ていた」と飛べる喜びをかみしめた。
昨年8月に練習中に転倒して右膝の前十字靱帯などを損傷し、修復する手術を受けた。
そこから約5ヵ月、1日に6~8時間のリハビリテーションを行う日々を送ってきた。
1月中旬からコーチ、医療スタッフの指導に元でジャンプ練習を始め
「心配なくなった。膝の状態はとてもいい」と手応えをのぞかせた。
ヘンドリクソンがジャンプ練習を開始したことについて、
22日に成田空港から欧州遠征に出発した高梨は報道陣の取材に
「憧れの選手が復帰してくるのはモチベーションが上がる」と歓迎した。
米国のジャンプ女子五輪代表は22日に発表された。
アラン・アルポーン・コーチは「毎日、小さな歩みを積み重ね、
ここにきて大きな進歩を遂げた。期待以上」と回復ぶりに太鼓判を押している。
昨季のW杯でしのぎを削った「沙羅とサラ」。
2人の対決はソチで実現する。 北海道新聞記事
「高梨沙羅2位 5連勝逃がす」1月25日
女子個人第10戦がスロベニアのプラニツァ(HS 104㍍)であり、
ソチ五輪で金メダルをめざす17歳の高梨沙羅は249・3点で、5連勝はならなかった。
ダニエラ・イラシゥコ(オーストリア)がただ一人、
100㍍超えのジャンプをそろえ、261・5点で今季初優勝。
W杯通算4勝目を挙げた。
高梨は1回目に97㍍を飛んで2位につけたが、2回目は98㍍で、
2回目に102・5㍍を飛んだイラシュコを逆転できなかった。
カリナ・フォクト(ドイツ)が3位に入り、ソチ五輪代表の伊藤有希が5位。
岩淵香里が17位、渡瀬あゆみが25位、ソチ五輪団表の山田友梨菜は29位だった。
茂野美咲は上位30人による2回目に進めなかった。
1回目を飛び終え、掲示板で得点を確認した高梨の顔が曇った。
首位イラシュコと10・6点の大差。
2回目も跳び負け、逆転できなかった。
「後半の伸びが甘かった」。 冷静に敗因を分析、沈んだ声で言った。
「テークオフ(踏み切り)の部分が良くなかったので、後半につながらなかった」
プラニツァのジャンプ台は助走路が緩やかで、ソチ五輪の台に形状が似ている。
先週、2連勝した蔵王と同じだが、
遠心力による圧力が感じにくいから、踏み切るタイミングが難しい。
高梨もこの日、そのワナにはまった。
97㍍を飛んだ1回目は着地が両足がそろったような形になった。
踏み切りがずれたから、課題のテレマーク姿勢にもつながらない。
「1回目の課題を直そうとした」という2回目だったが、修正できなかった。
対照的にプラニツァの台を熟知する長身のイラシュコは、
高梨より高い飛行曲線を描いた。
3回目の挑戦でも自身初のW杯5連勝を逃がした。
それは、たいした問題ではない。
ただ、2月11日のソチ五輪本番までは2週間あまり。
「絶対王者」とは言えなくなってきた。
5位の伊藤有希
「1回目はタイミングが遅れてしまった。
アプローチが緩やかで圧を感じない。1回目のミスがなければ」
「高梨沙羅 また2位」2月26日
女子個人第11戦がスロベニアのプラニツァ(HS 104㍍)であり、
ソチ五輪代表で17歳の高梨沙羅は合計246・8点で2位だった。
1回目に101・5㍍を飛んで首位に立ったが、2回目が98・5㍍と伸びず、逆転負けした。
ダニエラ・イラシュコ(オーストリア)が最長不倒の102・5㍍、101・5㍍の合計249・8点で
2連勝を飾り、通算5勝目を挙げた。
他の日本勢は、五輪代表の伊藤有希が4位。
岩淵香里が20位、渡瀬あゆみが24位。
五輪代表の山田友梨菜と、茂野美咲は2回目に進めなかった。
「なかなか、このジャンプ台に対応できなかった」。
17歳の高梨は、敗因を一言で表現した。
2日続けての2位。
最後まで迷いが消えなかった。
プラニッツのジャンプ台は癖がある。
助走路が緩やかなため、どのタイミングで踏み切ればいいかが分かりにくい。
高梨は1回目、前日と違ってスムーズに踏み切れたので、
飛び出してからの進みが良かった。
101・5㍍を飛んでガッツポーズ。
全体でトップの飛型点を合わせて首位に立ったが、2回目にミスが出た。
「タイミングが遅れてつながらなかった」。
唯一、100㍍超えのジャンプをそろえたイラシュコに、逆転を許した。
形状の異なるジャンプ台を転戦する中で、いかに感覚をつかんでいくか。
「次は世界ジュニア選手権。すばやく対応できるようにしたい」と、はっきり言った。
朝日新聞 (笠井 正基 記者)
「高梨沙羅3連覇 世界ジュニア選手権」1月28日
イタリアのバルディフィエメで開幕し、
ジャンプ女子個人戦(HS 106㍍)はソチ五輪代表で17歳の高梨沙羅が
2回とも最長不倒の100・5㍍を飛んで、合計262・9点で3連覇を達成した。
世界ジュニアのジャンプ種目の3連覇は男女を通じて初。
コリーヌ・マテル(フランス)が14・2点差の2位、マーレン・ルンビー(ノルウェー)が3位。
五輪代表組は伊藤有希が96・5㍍、94㍍の241・2点で4位で続いたが、
山田友梨菜が40位で2回目に進めなかった。
岩佐明香(札幌日大高)は25位だった。
笑みがはじけた。
着地後の滑走を終えたところで、表彰台で、写真撮影で。
世界ジュニアのジャンプで初めて3連覇を達成したからではない。
「練習で思うように飛べなかったので、ベストを尽くせてよかった」。
高梨に、笑みが戻った。
ここでは昨季の世界選手権でも飛んでいる。
「風が吹かないし、標高も高め。助走路をしっかり滑って立つ、
教科書通りのジャンプをしないと飛距離を稼げない」。
2回とも飛距離、飛型点は最高点。
強豪のほとんどが出場していない点を割り引く必要がある。
それでも、「(昨季は)台に力を伝えられなかったが、
今回はしっかり踏めた。成長した部分」。
ワールドカップ(W杯)では25、26日と続けて2位。
そのとき、こわばったままだった顔とは対照的だった。
世界ジュニアに特別な意識はない。
「やることは一緒」。
だが、心のもやもや感は確かに消えている。
「勝てたことは素直にうれしい」。
勝つことでしかぬぐい去れないものあった。 朝日新聞(笠井 正基 記者)
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ノルウェーのリレハンメルでジャンプ女子の個人開幕戦(HS100㍍)があり、
個人総合連覇を狙う高梨沙羅(クラレ)が1回目102㍍で首位に立つと、
2回目も96・5㍍を飛び、計286・0点でW杯通算10勝目をあげた。
伊藤有希(土屋ホーム)が17位。
「冬は楽しい。試合をずっと楽しみにしていた」。
待ちわびていた冬のシーズン。
そんな思いをはじけさせるように高梨が勝った。
1回目に成長のあとを見せた。 HSを超える大ジャンプで、
課題のテレマーク姿勢をきっちり決めた。 飛型点は1回目が57・5点、2回目が57・0点。
いずれも全選手中トップだった。
「ファースト・コンタクトが重要になる」。
高梨が冬を前にした言葉だ。
「最初に飛んだ感覚が良ければ、その後もいい感触を持ってどんどん飛んでいける」
どんな名手でも、夏から冬のジャンプ台に対応できるかに神経をとがらせる。
夏より速い助走スピードに感覚が狂うことがあるからだ。
高梨は優勝した前日の混合団体に出たことで、「気持ち的に楽になった」。
悪条件のなかで飛び、雪の感覚をつかんだ。
「いい感触で終われたのでしっかり(開幕戦に)臨みたい」。
その言葉を、体現してみせた。
女子ジャンプが初めて行われるソチ五輪が2月にある。
歴史的なシーズンのスタートを、17歳の高梨が文句ない形で切った。
「高梨沙羅笑顔、日本混合V」
逆転で初優勝を飾り、
喜び合う日本チーム
ノルデックスキーのジャンプは6日、
ノルウェー・リレハンメルで男女4選手の合計得点で争う
混合団体(HS 100㍍、K点90㍍)を行い、
2月の世界選手権優勝メンバーで臨んだ日本が
1回目2位から2回目に逆転し、合計942・1点で初優勝した。
日本は伊東有希(土屋ホーム)、伊藤大貴(雪印メグミルク)、
高梨沙羅(クラレ)、竹内択(北野建設)の順番。
1回目で首位のオーストリアに25・1点差だったが、2回目は伊藤が96・5㍍、
伊東が99・5㍍とK点超え。
高梨が100㍍と伸ばし、竹内も100・5㍍を飛んでオーストリアに40・2点差をつけた。
この種目はソチ冬季五輪では実施されない。
「みんなで勝ち取った。興奮した」。
一時は8位に順位を下げながらも、逆転で混合団体戦を制し、
表彰台の頂点から戻ってきた高梨に笑顔が広がった。
2回目は女子で唯一ヒルサイズの100㍍をマーク。
7日の個人戦に弾みをつけた。
団体戦前に予定された個人戦の公式練習が強風で中止。
団体戦1回目が高梨にとって今季W杯最初のジャンプだった。
雪が積もった助走路で、飛び出しのタイミングをうまくつかめずに91㍍。
「滑りが重い感覚。難しくて後半に響いた」と飛距離が伸びなかった。
仲間の飛躍に刺激を受けた。
高梨に続いた竹内が104㍍の大ジャンプ。
高梨は「(竹内)択さん、すごい」と喜び、自信も気持ちを高ぶらせた。
2回目は助走速度も増し、持ち味の高い飛び出しが戻った。
2位だった日本を1位に押し上げるアーチを描き
「納得いくジャンプ」とガッツポーズも飛び出した。
昨季W杯の個人総合女王は、4人が一丸となる団体戦への思いは強く、
「やはりチーム戦は楽しい。良い感覚で終わることができた」。
11月下旬に始まった全日本合宿から状態が良く、シーズン開幕を待ちわびていた17歳。
連日の優勝への視界は良好だ。
「高梨沙羅 2連勝 W杯」
ノルディックスキーのW杯は21日、
ジャンプ女子の個人第2戦(HS 108㍍)がドイツのヒンターツァルテンであり、
ソチ五輪でメダル候補の高梨沙羅が1回目に101㍍で首位に立ち、
2回目に最長不倒の105㍍を飛んで合計226・8点で開幕戦から2連勝、
算11勝目を挙げた。
伊東有希が自己最高の6位、渡瀬あゆみが25位。
1回目を飛び終え、高梨が首をひねった。
「飛び出す時に足で押せた感じがしなかった。上体が浮き上がって突っ込んだ感じ。
かなりのロスが生まれた」。
着地時に腰が落ちる失敗につながった。
ただ、そこから短時間で修正できる。
「同じ失敗をしないようアプローチから気をつけた」。
2回目は最長不倒の105㍍まで伸ばし、珍しく右手に力を込めた。
1回目は自ら認めたようにテレマークがきれいに入っていない。
それでも、4人の飛型審判委員が20点満点中、まずまずの17・5点をつけた。
ちょっと控えめな声で、高梨が明かした。
「公式練習でも入れていたので大目にみてくれたのか。アピールはとても大事。
そこは、かなり意識している」
課題のテレマークを改善して勝ちを重ねることで、
いまや「高梨ジャッチ」が生まれつつある。
ライバルが見あたらい中、17歳はしたたかさも身につけている。
朝日新聞 (笠井正基 記者)
「ぶれない高梨沙羅、3連勝」
女子個人第3戦(HS 108㍍)がドイツのヒンターツァルテンであり、
ソチ五輪で金メダル候補の高梨沙羅が開幕から3連勝、通算12勝目を飾った。
96㍍、98・5㍍を飛んで2回とも最高点を挙げ、合計239・9点だった。
ロシアの新星イリーナ・アブバクモワが2位に入った。
伊藤有希が24位、渡瀬あゆみはスーツの規程違反のため予選で失格した。
試合後、高梨の声が一瞬、強まった。
失敗するジャンプが少なくなったことを問われた時だ。
「それを意識してトレーニングしてきたので。安定性を求めて、
何本も何本も同じジャンプが飛べるように練習してきた」
横風が舞う悪条件。
予選免除の高梨は1回も飛ぶことなく試合に挑んだ。
「やることは同じ。バック(追い風)の時は突っ込みすぎると失速してしまうので集中した」。
1回目は飛距離で劣ったが、飛型点でカバーして首位に立ち、2回目もぶれない。
飛型点は2回とも全体のトップだった。
1ヵ月の海外遠征。
日本女子では珍しい長期遠征になる。
思うように練習できず、調子を落とした選手が多い。
だが、高梨は飛ぶ感覚を狂わせていない。
「全日本の練習をやって足りない部分は考えながら(補って)やってきた。
しっかりコンディションを整えられたからジャンプも飛べた」
今年最後の試合を開幕3連勝で締めた。
ソチ五輪が2ヵ月後にくる2014年へ。
「めざしているのはそこですが、それまで試合がたくさんある。
今までより、もっとレベルアップしたい」。
新年の誓いになる。 朝日新聞(笠井 正基 記者)
「高梨沙羅4連勝」2014年1月3日
女子個人第4戦(HS 106㍍)がロシアのチャイコフスキーであり、
17歳の高梨沙羅が232・6点で開幕から4連勝を飾った。
通算勝利数を「13」とし、サラ・ヘンドリクソン(米)の持つ
女子ジャンプW杯の歴代最多記録に並んだ。
1回目に99㍍を飛んで首位に立つと、2回目は96・5㍍で逃げ切った。
0・9点差の2位にカリナ・フォクト(ドイツ)、3位にイリーナ・アブバクモワ(ロシア)が入った。
山田友梨菜は23位、茂野美咲は26位、岩淵香里が30位だった。
吉泉賀子、渡瀬あゆみは上位30人による2回目に進めなかった。
開幕4連勝にも、高梨の顔つきはこわばったままだった。
「結果はよかったが、内容に満足がいかない」
1回目首位で迎えた2回目。
踏み切るときに「突っ込みすぎるクセが出た」という。
着地時に足がわずかに乱れる。
2回目の得点だけなら順位は3位。
今季のW杯4戦で飛んだ計8回のジャンプで、トップの得点を挙げなかったのは初めて。
2位に10点以上つけたこれまでとは違う、辛勝だった。
初めて飛んだジャンプ台をスムーズに攻撃できなかったのは、
かのナポレオンも苦しめられたロシアの冬将軍も影響している。
気温が急激に下がり、会場はマイナス21・3度を記録。
北海道上川町育ちでも、硬くなった体を思うように動かせなかった。
体を温めようと、試合前に口にするものを考えたという。
「なかなか自分のコンディションを(良い方向に)持っていくのが難しかった。
貴重な体験でしたが」と、こぼした。
ヘンドリクソンに並ぶ歴代最多の通算13勝目にも、特別な感慨はない。
「目の前の試合を1戦1戦集中して、
いろんな台に切り替わっても対応していかないといけない」
ソチ五輪まで約1ヵ月。 集大成をかける2014年の初戦は、
多くのことを学ぶ場となった。
「高梨沙羅3位 連勝止まる」1月4日
女子個人第5戦(HS 106㍍)がロシアのチャイコフスキーで行われ、
17歳の高梨沙羅は合計243・1点で3位となり、開幕からの連勝は4で止まった。
1回目に98・5㍍の6位と延びず、2回目も98・5㍍で逆転できなかった。
2回目に最長不倒の101・5㍍を飛んだイリーナ・アブバクモワが、
計249・2点でロシア勢として初勝利を挙げた。
渡瀬あゆみは25位、山田友梨菜は27位。
吉泉賀子、岩淵香里、茂野美咲は上位30人による2回目に進めなかった。
電光掲示板の最上位が定位置だった高梨の名が一つ下がる。
2回目、アブバクモワの大ジャンプが出た後だ。
さらに一つ下へ。
今季初めての展開に、ぼうぜんと立ち尽くした。
女子ジャンプのW杯最多の勝ちを塗り替える14勝目は持ち越しになった。
それより、課題を克服できなかったショックが大きい。
「1本目は(踏み切る)タイミングが早くて突っ込み気味になった」。
今季、トップ以外で初めて迎えた2回目も修正できなかった。
「遅れて最後まで持って行くのが苦しかった感じ」。
消え入りそうな声で分析した。
ここのジャンプ台は助走路が緩やかなため、
「体のかかる圧を感じにくい」と多くの選手がいう。
だから踏切を合わせにくい。
「期間内にミスを直せなかったのは自分の技術の問題」。
ロシアで迷い込んだ悩みは深い。
それでも、昨季のW杯から11戦続けて表彰台の一角には立って見せた。
ソチ五輪が約1ヵ月後に迫るなか、
ある意味、勝ち続ける重圧から解放されたと言っていい。
次は札幌、蔵王での4連戦。
「今回出た課題を改善してベストを尽くしたい」。
負けず嫌いの17歳が、このまま黙っているはずがない。
第5戦で優勝した
第5戦で優勝した イリーナ・アブバクモと
3位の高梨沙羅 イリーナ・アブバクモと3位の高梨沙羅
「高梨沙羅に新たな強敵」
ロシア・チャイコフスキーで4日あった女子個人第5戦で、
17歳の高梨沙羅は3位となり、開幕5連勝を逃した。
快進撃を止めたのはロシアの新鋭、22歳のイリーナ・アブバクモワ。
自国で開催される1ヵ月後のソチ五輪では、強敵になる可能性を秘めている。
作曲家チャイコフスキーの生誕地が近いことから名付けられた地で、
アブバクモワは唯一、2本とも100㍍を超え、
ジャンプW杯では男女を通じてロシア勢で初めて頂点に立った。
零下20度の酷寒を苦にせず、跳び慣れた地の利がある。
昨季は個人総合41位だったが、今季、一気に開花。
3位に入り、ロシア女子初のW杯表彰台となった第2戦の後も2位、3位、優勝と、
テレマーク姿勢に不安を残すが、力を発揮できるようになっている。
高梨はこの日の敗因を1回目に踏み切るときに前に突っ込む悪癖が出たと分析した。
ここ2戦で飛んだ4回のジャンプのうち、3回はトップの得点でなく、攻略法を体得していない。
気になるのは、チャイコフスキーの助走路の形状がソチに似ているという指摘だ。
最新の助走路は滑り出してから緩やかなため重力を感じにくく、
踏み切るタイミングのずれにつながる。
14歳から飛び始めたアブバクモワは高梨を「ロボット」に例えた。
正確無比に飛ぶからだという。
負けた高梨は「周りを見てジャンプをしているわけじゃない」。
珍しくプライドをむき出しにした。
高梨の迷いが、ソチのジャンプ台でももたげるようなら、
五輪初代女王の行方は分からなくなる。
ソチのジャンプ台を数多く飛んでいるアブバクモワは
「まだ慣れていないので五輪では1桁順位、できれば6位以内に入れればいい」と
控えめだが、本心はどうか。
答えは五輪で女子ジャンプが初めて行われる2月11日に出る。
「高梨沙羅 W杯 最多14勝」1月11日
ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプは11日、
女子個人第6戦が札幌市宮ノ森ジャンプ競技場で行われ、
高梨沙羅(17)が合計254・5点で2試合ぶりに今季5勝目を挙げ、
サラ・ヘンドリクソン(米)を抜いて歴代最多の14勝目とした。
高梨は1回目に最長不倒の99㍍を飛んで首位に立ち、
2回目に94・5㍍で逃げ切った。
女子個人のW杯は2011年~12年に始まり、高梨はそのシーズンに1勝。
昨季は8勝し、個人総合優勝に輝いた。
この種目は2月のソチ冬季五輪で初めて採用される。
W杯最多優勝に特別な意味を感じていない。
ふるさと北海道であるW杯で初めて勝つことだけに、高梨はこだわった。
「今年は結果を出せないで、寒い中、
足を運んでくれた方に楽しんでいただけたかなと。うれしい」。
実感があふれた。
W杯札幌大会が始まった昨季は12位、5位に沈んだ。
特に初戦は総合優勝したシーズンで唯一、2桁順位となる惨敗。
「残念な思いをさせてしまった」。
ファンの落胆した姿は頭から消えていない。
1回目は去年の初戦と同じように風が舞い、雪が強まった。
女子W杯では珍しく3700人の大観衆。
スタートゲートでは視界がかすんでも、大歓声が耳に入ってくる。
「出る瞬間まで聞いて、いいジャンプをしたいという気持ちを高めた」。
99㍍まで飛び、飛距離も飛型点もトップをたたき出す。
直前にスタートゲートが1段下がった2回目も、最高得点で重圧をはね返した。
「期待されていることは、気にしてくれているということ」とはにかみながら言った。
この種目がソチ五輪で行われる2月11日まで、ちょうど1ヵ月。
大舞台でも、そんな思いに応えられるかが試される。
「着地時のけが、防げるか」
3シーズン目を迎えたスキー・ジャンプ女子のW杯では
待機している救急車が忙しい。
この日の札幌大会は出動しなかったが、
試合のたびと言っていいほど、けが人が出ている。
開幕戦前の練習でカナダの選手がけがをし、第2戦の前にも昨季の
世界選手権銅メダルのザイフリーズベルガー(オーストリア)が着地に失敗。
ひざ前十字靱帯を断裂した。
第4戦ではドイツ選手が負傷して欠場し、
51人エントリーが1人減ったため予選がなくなった。
昨季の世界選手権覇者のヘンドリクソン(米)も、昨夏の大けがからのリハビリ中だ。
国際スキー連盟(FIS)は個々の事例を分析しているが、着地時のけがが目立つ。
運営側でできるのはジャンプ台の安全確保や審判による強風の判断まで。
スタートゲートを滑り出したら、自己責任でけがを防ぐしかない。
男子W杯で歴代最多勝のシュリレンツァウアー(オーストリア)は
「今は設備面で安全だから危なくない」と話す。
男子はW杯の下部大会でふるいにかけられた選手がW杯に挑む。
一方、女子の国際大会はW杯ぐらい。
助走速度を上げて飛距離を伸ばさせるため、
スタートゲートは男性より高く設定されている。
男子より筋肉の弱い女子は、着地時にひざに負担がかかるという指摘もあるのだ。
女子ジャンプは前回バンクーバー五輪の時、
競技人口の少なさや競技レベルの低さから実施を見送られた。
新採用されるソチ五輪まで1ヵ月。
あと7試合残るW杯をけが人なく、乗り切れるか。
そして誰もいなくなった、に近い状態では本番が味気なくなる。朝日新聞(笠井正基 記者)
「高梨沙羅 連勝 15勝目」歴代最多更新
スキー・ジャンプ女子W杯 個人第7戦が1月12日、
札幌市宮ノ森ジャンプ競技場(HS 100㍍)であり、17歳の高梨沙羅が
237・1点で2連勝して今季6勝目とし、歴代最多を更新する通算15勝目を挙げた。
高梨は1回目に最長不倒の97㍍で首位に立ち、2回目は91㍍を飛んで、
2位のコリーヌ・マテル(仏)に17・3点差をつけた。
イリーナ・アブバクモワ(ロシア)が3位、2年前からカナダ代表で活動する
田中温子が自己最高の4位。
伊藤有希が8位、渡瀬あゆみが12位だった。
岩淵香里、茂野美咲、山田優梨菜の他の日本勢は上位30人による
2回目に進めなかった。
力の抜けた高梨にとって今の「強敵」は自然だろう。
「ふぶいて、風も変わった。バーンの状態も良くなかったので、きつい試合」
どう勝つかを求めた。
1回目を飛ぶ前、転倒者がすでに2人いた。
最長の97㍍まで伸ばすと、両足がそろう不格好な着地になった。
テレマークを入れられなかったわけでない。
「転ぶのが嫌だと安全に着地した」と回避したのだ。
そてでも、劣った飛型点を抜群の飛距離で補い、トップに立った。
2回目は、小川コーチが危険性を考えて飛ぶ直前にスタートゲートを一段下げた。
今季の規則変更で、コーチの判断でゲートを下げた場合、
ヒルサイズの95%をクリアしないとゲート点が加わらない。
が、高梨はこの日の基準値の95㍍を下回って91㍍へ。
「ただ、ゲートを下げて飛んだだけとなった。選手は全力で飛んだ」とぽつり。
飛距離を稼ぐか、ゲートを落として確実にいくかの判断は難しい。
ただ、「1回目で大量リードしたから」と判断した小川コーチとの息を、
さらに合わせる必要がある。
連勝の中にも試行錯誤を繰り返し、17歳は集大成のソチ五輪に備えている。
優勝した高梨沙羅のジャンプ
「高梨沙羅 3連勝 16勝目」1月18日
山形県蔵王ジャンプ台(HS 110㍍)で女子個人第8戦があり、
17歳の高梨沙羅が110・8点で今季7勝目を挙げた。
3連勝で通算16勝目とし、ジャンプW杯では男子の葛西紀明に並んで
日本勢最多となった。
高梨は1回目に最長不倒の104㍍を飛んで首位に立ち、
2回目が強風により途中で打ち切られたため、1回目の得点で順位が決まった。
96・5㍍を飛んだ伊藤有希が109・4点で、初の表彰台となる2位に入った。
この種目で複数の日本勢が表彰台に立つのは初めて。
岩淵香里は9位だった。
優勝した高梨沙羅のジャンプ ひやり大飛躍
この日一番の向かい風をもらった高梨。
着地時にはのけぞり、地面に頭を打ちそうになった。
着地が決まらなかったのでジャンプ台記録にならなかったが、
あわや大けがという104㍍の大ジャンプだった。
自身28試合目となる表彰台に、初めて日本人とともに上がった。
高梨は「中学生のころから遠征でお世話になっている先輩と表彰台に上がれてうれしい」。
初表彰台の伊藤と肩をたたき合って喜んだ。
表彰式で笑顔を見せる高梨沙羅と
伊藤有希
急成長19歳伊藤有希、台攻略
毎年、荒れる蔵王W杯。 今年も強風のため2回目途中で終わった。
「残念。2本飛んだ結果で表彰台に立ちたかった」。
そう口に伊藤が2位と上々の結果を出した。
改修を終えたジャンプ台を攻略できるかが焦点だった。
助走路の形状がソチ五輪の台に似ており、良い練習になる。
「(踏みきり台が)短いと苦手だが、この台は短くない。自分のタイミングで踏み切れる」。
向かい風に恵まれ、96・5㍍。
優勝した高梨とともに、日本女子で初めて複数選手が表彰台に立つ。
昨春、北海道・下川商高から葛西紀明が監督を務める土屋ホームへ。
「成績重視の環境」に変わり、心構えも変わる。
疲れの見えた年始は遠征をやめ、国内で調整。
お尻が下がり気味だったアプローチを直し、
「滑りが安定してジャンプの安定につながった」。
11日の4位を上回り、個人総合で6位につける。
蔵王に来る前、新千歳空港で会った葛西から
史上最年長優勝のW杯トロフィーを触らせてもらった。
この日の結果を報告するという伊藤は「『勝て』と言われると思う」。
認められるには優勝しかないという意識が、成長する19歳の原動力になっている。
朝日新聞(葛西 正基希記者)
「新ジャンプ台 技術勝負」
緩やかなカーブ、踏み切り難度上昇。
助走路がソチ五輪会場と同様の形状に改修された山形市の蔵王ジャンプ台で18日、
スキー・ジャンプの女子ワールドカップ(W杯)が始まった。
飛び出す感覚をいかにつかむか。
五輪を占う戦いにもなりそうだ。
従来の助走路は、スタート位置からしばらく直線の斜面を滑った後、
曲率が一定のカーブに突入し、選手は体に重力を感じてから踏み切っていた。
これに対し、新しいタイプは国際スキー連盟(FIS)の新規格に基づく
「クロソイド曲線」を導入。
スタート直後から緩やかに変わっていくカーブに入るため
助走中に体に受ける重力を感じにくい。
日本で初、海外でもまだ少ないタイプで、重力の反動を使わないため、
「技術の差が出やすい」とも言われる。
17日の練習後、高梨沙羅は「曲線での圧のかかり方が、とても緩やか」と話し、
踏み切るタイミングが遅れないように集中しなければならない難しさを口にした。
海外選手からは「ソチの前にトレーニングを積む機会になって良かった」と、
歓迎する声も上がる。
冷却装置導入、条件、より公平に
助走路が変わったのは、曲線だけではない。
FISのルール改正で、W杯会場の助走路は冷却装置の導入が求められた。
スキー板を滑らすレールの下に不凍液を通すパイプが巡らせ、零下8度以下で管理。
以前は、気温の変化でレールが解けてスピードが落ちるなど、
条件に差が出ることもあったが、公平な条件で競技がしやすくなった。
冷却装置はドイツ製で、蔵王のほか、宮ノ森ジャンプ競技場でも設置された。
改修費は、山形市が助走路のほか周辺施設の改築も含めて6億6千万円で、
札幌市が2会場の冷却装置の整備で約4億円という。
ジャンプW杯で日本勢最多の通算17勝目をあげた高梨沙羅。
右は3位のビグナ・ビントミュラー
「高梨沙羅、W杯17勝」1月19日
ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプは19日、
女子個人戦が山形市で行われ、
ソチ冬季五輪で金メダルを狙う17歳高梨沙羅が127・5点で優勝した。
W杯での通算勝利数は17となり、ジャンプの日本勢では
41歳の葛西紀明を抜いて単独最多となった。
試合は悪天候のため2回目途中で打ち切られ、
1回目に出場選手で最長となる98㍍を飛んで首位となった高梨の優勝が決まった。
今季9戦で8勝となった高梨は
「記録はあまり考えていない。もっとレベルアップできるよう頑張りたい」と話した。
高梨が蔵王の台を2日続けて攻略した。
「自分のポジションでしっかり乗れている。
アプローチが組めているからテークオフでもロスなく出ていけた」。
3週間後の本番へ、弾みを付ける予行演習となった。
昨オフに改修された蔵王のジャンプ台は、
傾斜が宮ノ森などより緩いところが、ソチの台に似ている。
直線から緩やかな曲線、踏み切り台近くまでなだらかな弧を描く。
そのため、助走路を滑っているときは遠心力による圧力を感じにくい。
どのタイミングで踏み切ればいいか。
高梨は「かなり集中しないと遅れてしまう」と警戒していた。
この日はふぶいて視界がかすんだ。
それでも、タイミングはずれない。
スタートゲートを2段下げて助走速度が落ちたにもかかわらず、
最長不倒の98㍍まで伸ばした。
ソチの台には、苦い記憶があった。
一昨年12月のW杯。 初めて飛んだ台で2位、3位と結果は良かったが、
本人は「タイミングを取りづらい」とこぼしていた。
あれから1年余り。
たくさんの台に馴れた17歳にソチW杯の時のような思い詰めた雰囲気はなかった。
「ジャンプ女子3人出発」1月23日
ソチ冬季五輪のジャンプ女子代表でメダル獲得が期待される高梨沙羅、
伊藤有希ら日本チームが22日、成田空港から欧州遠征に出発した。
ワールドカップ(W杯)などの大会を経てソチ入りする。
出発前、高梨は「感謝の気持ちを込めてソチで頑張りたい。
自分のベストを尽くしたい」と抱負を語った。
今季W杯9戦8勝の高梨だが
「まだまだ、やらなくてはならないことがたくさんあるので、一つ一つ集中する」と
課題克服を強調。
伊藤は「メダルを取ってこられるように集中する」と意気込んだ。
山田優梨菜を含めた五輪代表の3人はスロベニアなどでW杯計4戦、
イタリアでの世界ジュニア選手権の後五輪本番の表彰台に挑む。
「サラ・ヘンドリクソン 飛躍再開」
昨季の世界選手権で、右膝手術から復帰を目指す
19歳サラ・ヘンドリクソン(米国)が飛躍の練習を再開した。
米国スキーチームの公式サイトなどが21日、伝えた。
初実施されるソチ冬季五輪で金メダルを狙う高梨沙羅の最大のライバルが、
大舞台出場へ前進した。
昨季の世界選手権女王「(復帰)最初のジャンプは世界中で最高の感覚だった
2回目は本当に気持ちがよかった。この日を夢見ていた」と飛べる喜びをかみしめた。
昨年8月に練習中に転倒して右膝の前十字靱帯などを損傷し、修復する手術を受けた。
そこから約5ヵ月、1日に6~8時間のリハビリテーションを行う日々を送ってきた。
1月中旬からコーチ、医療スタッフの指導に元でジャンプ練習を始め
「心配なくなった。膝の状態はとてもいい」と手応えをのぞかせた。
ヘンドリクソンがジャンプ練習を開始したことについて、
22日に成田空港から欧州遠征に出発した高梨は報道陣の取材に
「憧れの選手が復帰してくるのはモチベーションが上がる」と歓迎した。
米国のジャンプ女子五輪代表は22日に発表された。
アラン・アルポーン・コーチは「毎日、小さな歩みを積み重ね、
ここにきて大きな進歩を遂げた。期待以上」と回復ぶりに太鼓判を押している。
昨季のW杯でしのぎを削った「沙羅とサラ」。
2人の対決はソチで実現する。 北海道新聞記事
「高梨沙羅2位 5連勝逃がす」1月25日
女子個人第10戦がスロベニアのプラニツァ(HS 104㍍)であり、
ソチ五輪で金メダルをめざす17歳の高梨沙羅は249・3点で、5連勝はならなかった。
ダニエラ・イラシゥコ(オーストリア)がただ一人、
100㍍超えのジャンプをそろえ、261・5点で今季初優勝。
W杯通算4勝目を挙げた。
高梨は1回目に97㍍を飛んで2位につけたが、2回目は98㍍で、
2回目に102・5㍍を飛んだイラシュコを逆転できなかった。
カリナ・フォクト(ドイツ)が3位に入り、ソチ五輪代表の伊藤有希が5位。
岩淵香里が17位、渡瀬あゆみが25位、ソチ五輪団表の山田友梨菜は29位だった。
茂野美咲は上位30人による2回目に進めなかった。
1回目を飛び終え、掲示板で得点を確認した高梨の顔が曇った。
首位イラシュコと10・6点の大差。
2回目も跳び負け、逆転できなかった。
「後半の伸びが甘かった」。 冷静に敗因を分析、沈んだ声で言った。
「テークオフ(踏み切り)の部分が良くなかったので、後半につながらなかった」
プラニツァのジャンプ台は助走路が緩やかで、ソチ五輪の台に形状が似ている。
先週、2連勝した蔵王と同じだが、
遠心力による圧力が感じにくいから、踏み切るタイミングが難しい。
高梨もこの日、そのワナにはまった。
97㍍を飛んだ1回目は着地が両足がそろったような形になった。
踏み切りがずれたから、課題のテレマーク姿勢にもつながらない。
「1回目の課題を直そうとした」という2回目だったが、修正できなかった。
対照的にプラニツァの台を熟知する長身のイラシュコは、
高梨より高い飛行曲線を描いた。
3回目の挑戦でも自身初のW杯5連勝を逃がした。
それは、たいした問題ではない。
ただ、2月11日のソチ五輪本番までは2週間あまり。
「絶対王者」とは言えなくなってきた。
5位の伊藤有希
「1回目はタイミングが遅れてしまった。
アプローチが緩やかで圧を感じない。1回目のミスがなければ」
「高梨沙羅 また2位」2月26日
女子個人第11戦がスロベニアのプラニツァ(HS 104㍍)であり、
ソチ五輪代表で17歳の高梨沙羅は合計246・8点で2位だった。
1回目に101・5㍍を飛んで首位に立ったが、2回目が98・5㍍と伸びず、逆転負けした。
ダニエラ・イラシュコ(オーストリア)が最長不倒の102・5㍍、101・5㍍の合計249・8点で
2連勝を飾り、通算5勝目を挙げた。
他の日本勢は、五輪代表の伊藤有希が4位。
岩淵香里が20位、渡瀬あゆみが24位。
五輪代表の山田友梨菜と、茂野美咲は2回目に進めなかった。
「なかなか、このジャンプ台に対応できなかった」。
17歳の高梨は、敗因を一言で表現した。
2日続けての2位。
最後まで迷いが消えなかった。
プラニッツのジャンプ台は癖がある。
助走路が緩やかなため、どのタイミングで踏み切ればいいかが分かりにくい。
高梨は1回目、前日と違ってスムーズに踏み切れたので、
飛び出してからの進みが良かった。
101・5㍍を飛んでガッツポーズ。
全体でトップの飛型点を合わせて首位に立ったが、2回目にミスが出た。
「タイミングが遅れてつながらなかった」。
唯一、100㍍超えのジャンプをそろえたイラシュコに、逆転を許した。
形状の異なるジャンプ台を転戦する中で、いかに感覚をつかんでいくか。
「次は世界ジュニア選手権。すばやく対応できるようにしたい」と、はっきり言った。
朝日新聞 (笠井 正基 記者)
「高梨沙羅3連覇 世界ジュニア選手権」1月28日
イタリアのバルディフィエメで開幕し、
ジャンプ女子個人戦(HS 106㍍)はソチ五輪代表で17歳の高梨沙羅が
2回とも最長不倒の100・5㍍を飛んで、合計262・9点で3連覇を達成した。
世界ジュニアのジャンプ種目の3連覇は男女を通じて初。
コリーヌ・マテル(フランス)が14・2点差の2位、マーレン・ルンビー(ノルウェー)が3位。
五輪代表組は伊藤有希が96・5㍍、94㍍の241・2点で4位で続いたが、
山田友梨菜が40位で2回目に進めなかった。
岩佐明香(札幌日大高)は25位だった。
笑みがはじけた。
着地後の滑走を終えたところで、表彰台で、写真撮影で。
世界ジュニアのジャンプで初めて3連覇を達成したからではない。
「練習で思うように飛べなかったので、ベストを尽くせてよかった」。
高梨に、笑みが戻った。
ここでは昨季の世界選手権でも飛んでいる。
「風が吹かないし、標高も高め。助走路をしっかり滑って立つ、
教科書通りのジャンプをしないと飛距離を稼げない」。
2回とも飛距離、飛型点は最高点。
強豪のほとんどが出場していない点を割り引く必要がある。
それでも、「(昨季は)台に力を伝えられなかったが、
今回はしっかり踏めた。成長した部分」。
ワールドカップ(W杯)では25、26日と続けて2位。
そのとき、こわばったままだった顔とは対照的だった。
世界ジュニアに特別な意識はない。
「やることは一緒」。
だが、心のもやもや感は確かに消えている。
「勝てたことは素直にうれしい」。
勝つことでしかぬぐい去れないものあった。 朝日新聞(笠井 正基 記者)
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