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山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
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 「増えるシカ、経る猟師」

 最近シカが増えた ― 。
山間地などでよく聞かれます。
農地を荒らしたり、山の下草を食べて生態系に大きな影響を与えたりしていて、
見過ごせない問題になってきています。
環境省は今夏に初めて、野生のシカの生息数を推定して公表しました。
この20年ほどで9倍に増えたようです。
一方で、シカを捕獲する漁師のほうは高齢化し、減ってきています。

 日本にいるシカのエゾシカやヤクシカ、ツシマジカなどは、
ニホンジカの亜種とされています。
日本人は縄文時代からシカを捕って食べており、
江戸時代のも庶民の食料源とされていました。
イノシシやシカから田畑を守るための石垣が造られるなど
日本人と密接に関わってきました。

 明治から昭和の初期にかけ、乱獲で生息数が激減しました。
戦後は保護政策がとられ、分布が拡大。
生息数も増加しました。
農山村が過疎化、高齢化した時代は、シカなどの鳥獣が生息域を広がる傾向のあり、
「野生動物の反乱」とも言われる時代を迎えています。

 農林水産省によると、シカによる農作物被害額は、
2000年から07年ごろには年間40億円前後でした。
それが10年度には78億円、11年度は83億円と急増しました。
苦労して育てた農作物が食べられてしまうと耕作意欲がなくなり、
耕作放棄地がさらに増えるという事態も引き起こしています。

 鉄道の衝突事故も多発しています。
JR東海の在来線では、シカと列車の衝突は03年度には245件でしたが、
12年度には635件に増えました。
人工林の枝葉が食べられたり、国立公園の下草が食べつくされてしまったとの
報告もあります。

 環境省は8月、1989~2011年度に捕獲されたシカの数などから、
現在生息しているシカの数を統計的に推定しました。
11年度の生息数(北海道を除く)は、50%の確立で207万頭~340万頭、
90%の確率で155万~549万頭に入るというものでした。
推定の中央値は261万頭。
89年度は30万頭が中央値と推計されていたので、
この20年ほどで9倍近くに増えた可能性があります。

 なぜシカは増えたのでしょうか。
複数の専門家が、雌ジカの狩猟禁止が20世紀半ばから長く続いたこと、
温暖化で積雪が減り子ジカが冬に生き延びやすくなったこと、
戦後に拡大造林で多くの木が伐採され、餌となる下草が増えたことなどを挙げています。

 シカは繁殖して、1年間に20%ほど増えていると考えられます。
環境省推定の90%確率の下限である155万頭が生息しているとすると、
毎年30万頭以上を捕獲しないとシカは増え続けることになります。
しかし、11年度の捕獲数は27万頭(北海道を除く)でした。
このままの捕獲率が続くと、25年には500万頭(中央値)に達成すると予測されます。

 一方、シカを捕獲するハンターは減り、高齢化しています。
1975年には51万8千人の狩猟免許所持者がおり、その大半が30代、40代でした。
しかし2010年には20万人以下に減り、半分以上が60歳以上。
「ハンターが絶滅危惧種だ」という声も上がっています。

 日本哺乳類学会の理事長で、東京農工大の梶光一教授(野生動物菅理学)によると、
北半球の各国で日本と同じようにシカの仲間が増えています。
梶教授は「捕獲のプロ、野生動物管理の専門家の育成が必要。
さらにシカを資源として流通させないといけない」と話しています。

 環境省は専門的に捕獲を担う事業者の認定制度を創設する検討を始めました。
鳥獣捕獲の担い手不足という課題に取り組む素案について、
12月17日までにパブリックコメントを募集しています。

  「記者のひとこと」
 駆除されたシカの肉は、ほとんどが市場に流通することなく捨てられています。
古くから猟師たちは、「山の恵み」に感謝し、肉や内臓はもちろん、
皮や毛もくまなく役立てていました。
これからプロのハンターが育成される時代になったとしたら、
この感謝の気持ちも引き継いでほしいです。  朝日新聞 (合田 緑 記者)

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