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山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
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                       「クマ対策」先送り

  札幌市の市街地周辺でクマ出没が相次ぐ問題で、
クマの通り道とされる「河畔林」伐採をはじめとする
抜本的な対策は、当面とられない見通しとなった。
札幌市と道、専門家の連携は進まないまま、
クマの冬眠時期を迎える。
再び活動する来春以降に、
効果的な対策を問い合わせられるかが焦点。

 市街地へのクマの通り道とされる「河畔林」の伐採について、
クマ対策を担当する札幌市みどりの活用担当課の長谷川正彦課長(55)は、
「クマの出没情報で職員が現場に行くことが多く、検討の時間をとれない」と釈明する。

 豊平川の河川管理者は、真駒内川との合流部分(札幌市南区)を「河川管理分岐点」として、
下流は開発局、上流は道の空知総合振興局札幌建設管理部。

 9~10月に出没情報が相次いだ札幌市南区の豊平川沿いを管理するのは
札幌建設管理部。
ハンターも出て警戒に当たった10月下旬、札幌建設管理部事業課の天井弘志課長は
「こちらはクマ対策の部署ではない」と主張した。
天井課長は今、「札幌市から要請があれば対応を考える」と協力姿勢をみせるが、
具体的な動きはない。

 双方の連携が進まない背景には、河畔林の伐採に手を付けて批判を浴びた
苦い経験がありそうだ。

 昨年8月下旬から9月にかけ、南区の川沿地区での目撃情報が相次いだ際、
札幌市と道は、豊平川支流の北の沢川沿い河畔林約300㍍を伐採した。
住民からの要望に応え、最初の目撃情報から約1ヵ月での取り組みだった。

 しかし、伐採後に「木陰がなくなって警戒心の強いサクラマスが産卵しにくくなったのでは」
という札幌市豊平川さけ科学館のコメントが報道された。
鳥類の生態に詳しい専門家は「野鳥の餌場がなくなった」と指摘し、
札幌建設管理部はこの専門家への経緯を説明した。

 「この時の批判がトラウマ(心的外傷)になっているのでは」。
事情を知るクマ専門家の間では、そんな見方が強い。
札幌市の長谷川課長は
「専門家を交えずに行政だけの判断で伐採したのは反省点」と語る。

 河畔林伐採は、身をさらすことを嫌うクマの習性を利用する手段だ。
対象とする一帯のすべてを伐採する必要はなく、
20㍍ほどの空間を作れば十分という専門家の指摘もある。
下草を刈るだけでも効果があるという。

 クマの生体に詳しい酪農学園大の佐藤喜和准教授は、
「昨年の札幌市と道による伐採は、ルールが確立されない中での試みだったので
批判された。専門家を交えた協議で作った計画を基にすれば、
説明責任も果たせるはず」と話す。

 先進地 京都・福知山市「市民参加型で伐採」
 
クマ対策として河畔林を伐採する試みは道外各地でみられる。
京都・福知山市の中心部を流れる由良川の河畔林で2010年秋、
住宅から約200メートルの場所にクマが出没した。
松山正治市長は東京の国土交通省や、
河川管理者の国交省福知山河川国道事務所へ出向いて対応を要請。
整備局は専門家と協議し、出没周辺の約1㌶を全て伐採することを決めた。
河川敷には民有地が点在しており、
「市民の意識も高めたい」と、市民参加型イベントをして今年3月に伐採した。

 「助言を受け痕跡調査」
 札幌市は2012年4月、クマ対策の専門部署として、環境局みどりの推進課に
「熊対策調整担当係」を設けた。
畑違いの担当部署から係へ異動してきた2人が、クマ対策の鍵を握っている。

 先月下旬、札幌市中央区盤渓の山中へ分け入った四輪駆動車から、
2人が降り立った。
熊対策調整担当係で係長を務める伊藤保夫さん(49)と、係員の吉田尚樹さん(61)。
周辺でのクマ出没情報を前日に受け、痕跡を調べにやってきた。

 「この草の倒れ方は不自然じゃないか。クマが通った跡では」。
伊藤さんの指摘に、同行してきた男性が答える。
「草の倒れている向きがすべて同じ。風の影響でしょうね」  
男性は、獣医師などの資格を持つ約10人が所属する
NPO法人「エンヴィジョン環境保全事務所」(札幌)の職員。
札幌市から野生動物の追跡調査を委託され、専門家として伊藤さんたちに助言する。
「クマの専門家ではない自分たちだけでは、判断できないことがある」(伊藤さん)

 伊藤さんは札幌市に採用されてから、主に保健福祉分野の仕事に携わってきた。
熊対策担当係りが設けられた12年4月、
厚別区役所の後期高齢者医療の担当係長から移動。
「クマ対策のポストができたと知らなかったので、こんな仕事があるのかと驚いた」

 税務畑が長かった吉田さんは今春まで3年間、南区の地域安全係長として勤務。
交通安全啓発や災害対応が主な仕事だったが、増え始めた市街地でのクマ出没で、
付近に警戒を呼びかけるなどの活動に携わった。
今年3月の定年退職後の再任で熊対策調整担当係りに。
「経験が買われたようだが、もうクマには関わらないと思っていた」(吉田さん)

 2は、専門家やハンターに教えを請い、クマ関連書籍も10冊ほど読んだという。
クマ出没などの情報で今年4月以降、現場に向ったのは約100件。
報告書まとめや、小学校でのクマ対策啓発活動の準備もこなす。

 相次ぐクマ出没に伊藤さんは、
「どこからクマが出てくるか分からないので、出てきた所で対応するしかない。
札幌市だけでの対策で追いつかないことは分かっている」と語る。

   「クマ駆除に体張るハンター」
 札幌の生活圏へクマ出没を追って連載した「クマはそこにいるのに」の取材で、
現場で対応するハンターから話を聞いた。

 「北海道にいるのはヒグマ。おっかなくて、シカ猟などをしていても出合いたくない」。
取材中、ハンターは本音を漏らした。
クマはハンターの中でも共通認識として怖い存在。
今年4月に檜山管内せたな町で山菜採りの女性が襲われて亡くなるなど、
クマ絡みの事故は多くある。

 そのクマが現在札幌の市街地にも出没。
抜本的な解決策がない中、行政はハンターらに頼らざるを得ない現状だ。
しかし人に危害が及びそうでも、住宅街だと簡単に銃で撃てない。
「クマと差し違えても体を張って市民を守らないといけない」。
あるハンターはクマと対峙する覚悟についてそう話す。

 駆除の際は報道を通じて全国の目にさらされ、非難が集まったりする。
ハンター自身はもちろん、ある家族は
「責任を負う姿を見ると私は耐えられない」と涙で打ち明けた。

 山で捕った獲物は、「命の恵みを受けている」と
自然に感謝しながら味わうのが基本というが、駆除はそうではない。
市民のために、葛藤しながら、生死と向き合う生々しい現場を踏むハンターに感謝する。
 北海道新聞記事

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