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山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
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                   「半減目指す」  

 毎年、億単位の漁業被害をもたらすゴマフアザラシが、
北海道の日本海側で夏も居座るようになった。
冬の来遊数も増加傾向のうえ、
夏も北の海に帰らないとなれば影響は計り知れない。
夏の被害を減らそうと、改正鳥獣保護法に基づく道アザラシ管理計画を
年度内に策定する。
同法が施行される来年度から2年をかけ、日本海で昨夏確認した
850頭を半分以下に減らすことを目指す。

 道は昨年度、初めて道内8ヵ所で夏(8月~10月)も岩礁などに居座る
ゴマフアザラシの頭数を調べ、前年度の冬(10月~3月)の来遊数などと比較した。

 日本海側の調査地点は5ヶ所。
礼文島=夏605頭、冬1080頭 声問・宗谷(稚内市)=夏224頭、冬193頭
抜海漁港(稚内市)=夏8頭、冬988頭 天売島=夏5頭、冬349頭
焼尻島=夏8島、冬384島で、礼文島は5割以上が夏も残り、声問・宗谷に至っては
冬より夏の方が多かった。

  「北上必要なし ?」
 ゴマフアザラシは本来、流氷とともにオホーツク海沿岸などに来遊し、
流氷の上で出産や子育てをして春にサハリンなどへ北上する。
ところが流氷が来ない日本海側でも1990年代から増えだした。
ロシアで年間数十万規模とされるアザラシ猟が94年に廃止され、
個体数が増加したことや、流氷の減少でオホーツク海から宗谷海峡への移動が
容易になったことが理由と考えられている。

 これによってゴマフアザラシの越冬地は礼文島、抜海漁港、天売・焼尻島、
小樽、積丹半島と南に拡大。
やがて夏に残る個体も増え、礼文島の北にあるトド島では繁殖も確認されるようになった。
アザラシの生態に詳しい東京農業大の小林万里教授は
「餌が簡単に取れるなら夏に北に帰らなくてもいいのではないか。
礼文島では島で生まれた個体の定着もあると思う」という。
漁網にかかった魚などの餌が楽に捕れれば、わざわざ北に向かう必要がないとの見方だ。

 「捕獲や爆音機で」
 道は昨年度、小林教授を座長とするアザラシ管理検討会を発足させ、
9月17日の第3回検討会で道アザラシ管理計画の素案を検討した。
対象はゴマフアザラシで、検討会では日本海で夏に居座る個体を
半数以下に減らす方向で一致。
捕獲や爆音機などを使って追い払うが、さらなる南下や他地域への拡散を防ぐために、
6~10月に一斉に広域で取り組むことを考えている。

 検討会のメンバーで礼文島の瀬戸川喜太郎・船舶漁協組合長は
「海の中ではタコやカジカが食べられ、ノリなども売れなくなっている。
夏の観光資源にもなっており、すべて排除しろとまで言わないが、数は少なくていい」と話す。

  「餌を求め500㌔先にも」
 日本海で越冬するゴマフアザラシはどこで餌を食べているのか。
東京農業大の小林万里教授は漁業被害対策の基礎データとするため、
09年から13年の冬に稚内市の抜海漁協で生体捕獲した計24頭と礼文島で
生体捕獲した計7頭に発信機を付け、追跡した。

 この結果、礼文島の個体は島周辺海域を餌場にしていたのに対し、
抜海漁港の個体は
① 西サハリン沖まで約500㌔北上
② 積丹半島沖まで約300㌔南下
③ 天売島、焼尻島まで約120㌔南下
④ 利尻島、礼文島から宗谷海峡にかけて約80㌔圏内
⑤ 抜海漁港周辺の約25㌔圏内 ―の五つの行動パターンを確認。
いずれも抜海漁港を拠点とし、性別や年齢に有意差はみられなかった。
小林教授は「周辺で餌を捕っているのかと思ったら抜海では違った。
個体数の増加で餌を捕る競争が激しくなり、
それが広い範囲で餌を求める行動につながっているのではないか」とみている。

  「魚業被害増える傾向」  
 北海道に来遊・生息するアザラシ5種のうち、道は2008年度からゴマフアザラシと
ゼニガタアザラシの漁業被害をまとめている。
13年度のゴマフアザラシの被害は約4億900万円で08年度の1・6倍、ゼニガタアザラシは
約8千万円で2・4倍となり、ともに増加傾向にある。

 ゴマフアザラシの被害は宗谷や留萌など日本海側が中心で、
特に宗谷は約2億4300万円とアザラシ被害全体の約5割を占める。
ゼニガタアザラシの被害は襟裳岬から根室半島にかけての太平洋側が中心だ。

 希少鳥獣のゼニガタアザラシ(絶滅危惧種)は環境省の所管で、
同省が襟裳岬地域での保護管理計画を立て、
被害対策と絶滅危惧種指定の再評価に向けた調査を進めている。
朝日新聞(奈良山 雅俊 記者)  

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