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山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
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  背丈以上の高さがある畑で
八列トウモロコシを収穫する及川喜志さん


    「8列の粒 ほのかな甘み」  

 どこまで甘く、柔らかくなってしまうのか。
嗜好品のごとく高糖度路線をひた走る最近のトウモロコシ。
収穫から時間がたっても味が落ちないという品種改良の成果に
敬意を表しつつ、疑問を感じていた。

 開拓の歴史を知る「八列トウモロコシ」は、その正反対にあるのかもしれない。
姿は細長く、房に粒が8列並ぶ。
やくと穀物の香ばしい香り。
前歯でかじりつき、奥歯でかみしめると、ほのかな甘みがじわり、うまみもじわり、
あごがくたびれてひと息つくと、おなかもいっぱいになった。

 道内に数件と聞いた栽培農家のうち、訪ねたのは三笠市で2㌶ほど
「札幌黄八行」を育てる及川喜志(よしゆき)さん(62)。
地元の「道の駅三笠」で焼きながら売る。
炭火の上でパチパチと音を立てる様子は、まさに「懐かしの焼きトウキビ」。
出荷先が見つからず始めた直売所だが、
10年ほど前にスローフードと呼ばれると少し風向きが変わった。

 北海道になぜ、八列トウモロコシが根付いたのか。
創業95年の種苗販売店「NSCサッポロノウエン」(札幌市)の佐藤甚之助さん(75)が
大正期の通販カタログを見せてくれた。
モノクロの精密画が美しい。

 トウモロコシの欄は八列の代表品種「ロングフェロー」から始まり、
「家畜の飼料及び生食料として最も有名なり」と説明がある。
隣が「札幌黄八行」で、「栽培容易にして収穫も前者より優れたり」。
なるほど、トウモロコシとは農家がともに生きる動物に与え、
自分たちは米の不足を補う糧にする作物だった。
郷土食の記録には、冬の食事にストーブで焼く「トウキビがゆ」が欠かせない。

   「北海道の農業は長い冬との戦い。
冷涼な気候でどんな品種なら育つのか。
トウモロコシに限らず、開拓使が米国から取り寄せた種、
移住者が故郷から持ちこんだ種などから順化していったようです」と佐藤さん。
大玉で日持ちのいいキャベツなど、農家が種を残し、在来野菜として守る動きも出てきた。

 及川さんはその日に収穫したものしか売らない。
味付けは塩水で、しょうゆは使わない。
一房ずつ粒の硬さを色でみて、客の好みに合わせる。
持ち味を発揮した状態を知ってほしいからだ。

 「しょうゆは味も香りも強くてトウキビが負けてしまう。
塩水をはけでひと塗り。
これが一番です」

 朝一番、60㌔離れた石狩市から直売所にかけつけた男性客(62)は
妻の分と2本だけ買った。
「ここに来て食べないと。これがトウキビの味だと毎年楽しみにしています」。
東京に持ち帰りたいと、言い出せなくなった。

 ※ トウモロコシ  
 北海道野菜史研究会の中村満さんによると、
18世紀末、英国の探検船航海記に現在の室蘭でトウモロコシ栽培をみた記録が残っている。
その後、明治時代に入って本格化した。
米が穀物中心の日本では当初、家畜飼料としてその利用が主目的だったが、
缶詰など加工用や生食が普及していった。

 夏の日照時間が長く、夜間には気温が下がって日中に蓄えた糖分(甘み)を減らさない。
それが、道産トウモロコシがおいしい理由として挙げられる。
2012年の道内の収穫量は食用(スイートコーン)が約12万㌧で、
全国(約25万㌧)の半分近い。
生でも食べられる「スーパースイートコーン」、
さらに糖度の高い「ウルトラスーパースイートコーン」と分類される品種が市場を席巻。
一房に2色の粒が混ざるバイカラーや白と紫のトウモロコシなど、
見た目のバラエティーも豊富になった。  朝日新聞(長沢 美津子 記者)

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