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山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
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   「ウチダザリガニ」洞爺湖

 夏の太陽が朝霧を押しのけ、
洞爺湖畔に朝がやってくる。
午前8時すぎ、まだ観光客もまばらな温泉街の湖畔から、
湖底に仕掛けた円筒形のカゴわなを引き揚げる2人がいた。

 洞爺湖のウチダザルガニ防除隊隊員だ。
手分けしてガゴに入ったウチダザリガニをバケツに移し、
エサを取り換えて、また湖にカゴを投げ入れる。
バケツのウチダザリガニの雄雌や重さなどを記録し、2人は次のカゴわな地点に移動した。

 ウチダザリガニの活動期の6月から11月末まで、
湖畔約3㌔間の定点捕獲ポイント54ヶ所を中心に連日作業する。
7月中旬のこの日は39のカゴを引き揚げ、535匹を駆除した。

 隊員3年目の宍戸雅(まさる)さん(53)は「とても捕りきれるもんじやないけど、
誰かがやらなければね」。

 洞爺湖で始めてウチダザリガニが確認されたのは2005年。
翌年2月には「特定外来生物」に指定された。
環境省を中心にした捕獲事業が実施され、3年間で約2万匹が駆除されたが、数は減らない。

 09年に洞爺湖、壮瞥両町と、酪農学園大、市民団体などが
「洞爺湖生物多様性保全協議会」を設立し、
防除対策や捕獲データの集約をする窓口を一本化。
防除隊など、活動を活発化させた。

 協議会長を務める市民団体「UWクリーンレイク洞爺湖」の室田欣弘代表(46)は
洞爺湖半で生まれ育ち、湖畔で自動車整備工場を営む。
環境問題には「ほとんど無関心だった」が、湖底に繁殖するウチダザリガニの姿と、
捨てられたバイクや自転車などの大量の大型ゴミを写した水中写真に目を奪われた。
「何かしなければ」と市民団体を設立。
ダイビングのライセンスも取得し、ウチダザリガニの駆除や湖底の除去活動に取り組んだ。

 協議会設立後の09年に4万3700匹だった駆除数が10年に10万匹を超えた。
その後は8万7千匹、5万3千匹と減り、カゴにかかる個体も小型かしていることがわかった。

 酪農学園大野生動物保護管理学研究室の吉田剛司教授(44)は
「駆除数の減少と個体の小型化は、活動を続けてきた成果と言っていい。
だが、小型の個体や産卵期の個体の捕獲、さらに生息域の拡大防止など、
まだまだやるべきことはたくさんある」と話す。

 8月初旬、湖畔の地元の小中学生を対象にした
「ウチダザリガニ駆除イベント」が開かれた。
協議会は、駆除と並んで環境教育を活動の柱に据える。

 参加した子どもたちの前で室田さんが湖底に潜った。
子どもたちはモニターテレビに映る水中カメラの「生中継」の映像に目を輝かせ、
「体験カゴわな」にかかったウチダザリガニやスジエビを観察。
酪農学園大の大学院生や防除隊員らから「生きもののつながり」の大切さを学んだ。

 室田さんは「多くの観光客が訪れる洞爺湖。
ウチダザリガニや湖の中島の増えすぎたエゾシカ問題など題材は豊富。
環境教育を軸にした修学旅行の誘致に力を入れたい」と話す。

 協議会は今年、新たに水中カメラによるウチダザリガニの行動調査や、
湖畔南側約9㌔とされる生息域の拡大の有無の調査をする予定だ。
吉田教授は「効果的な防除手法の確立をめざし、
今後も駆除とモニタリングを継続することが大切。
そのためにも活動が続けられる体制づくりが必要だ」と指摘する。

 ※ ウチダザリガニ  
 原産地は米北西部。
全長約15㌢に達する冷水性の大型ザリガニ。
水草を食べて在来魚のすみかや産卵場を奪うほか、ニホンザルガニとの競合や捕食、
ミズカビ病(ザリガニペスト)を媒介して在来種に感染させる危険性が指摘されている。
道内では1930年に食用として摩周湖に放流され、
持ち出されたものが、湖沼や河川に定着したとされる。
各地で防除活動が行われているが、決め手がないのが現状だ。
国立公園内では阿寒湖、釧路湿原、支笏湖などに定着している。 朝日新聞(深沢 博 記者)

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