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山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
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     「ニジマス」北海道  

 ジャンプを繰り返し、激しくファイトする北海道のニジマスは、
全国の釣り師のあこがれの的だ。
阿寒国立公園から流れ出す阿寒川や、
滝上町などを流れてオホーツク海へ注ぐ渚滑川など、
モンスター級が潜むとされる川は道外からも大勢の釣り師を引きつける。
ニジマスは、とても経済効果のある魚なのだ。

 しかし、同じ川で暮らす在来種のサケ科にとってはやっかいな存在のようだ。
希少な陸封型サクラマス(ヤマメ)の悲劇がある。

 道内のサクラマスのメスは川で生まれて海へ下り、親になって川へ戻る。
生涯を渓流にとどまる個体群の北限は青森県の大畑川とされ、
「スギノコ」と呼ばれて保護されている。

 しかし、もともとの北限はせたな町を流れる良瑠石(らるいし)川の上流域だった。
1936年の調査記録に個体群の存在が報告されており、
80年代の釣りガイドにも登場する。
ところが、同年代にニジマスが確認され、今ではそれが高密度にすむ。
陸封型サクラマスは絶滅したとみられている。

 絶滅の主原因はニジマスなのかははっきりしない。
ただ、北斗市をながれる戸切地(ときりち)川(上磯ダム上流域)で行われている
独立行政法人水産総合研究センター北海道地区水産研究所の
森田健太郎主任研究員によると調査を見ると、
ニジマスが在来種のサケ科を圧倒していく様子が浮かんでくる。

 調査水域には、在来種としてイワナの一種のアメマスが生息。
ここに何者かがニジマスとブラウントラウトを放流した。
時期は90年代とみられる。
2002年の割合はアメマス64%、ニジマス9%、ブラウン27%で、アメマスが半数以上。
ところが、12年後の今年、アメマスは5%に。
一方、ニジマスは74%で、ブラウンとともに外来種が占拠する川に変貌した。

 森田氏は「ニジマスがいても在来種が減らない川もある。
しかし、エサや生息場所の競争など在来種にとっての悪影響は考えられる」と話す。

 在来種最大の淡水魚で絶滅危惧種のイトウへの影響も心配されている。
産卵期の重なるニジマスの産卵行動によって、
先に産卵したイトウの産卵床が3割前後掘り返されたという調査論文がある。
イトウもサケ科だ。
調査地点は道東を流れる風連川水系。
周辺は牧草地の造成などで河川環境が悪化し、サケ科の産卵に適した
玉砂利状の川底が減っている。
このため、両種が同じ場所で産卵することが多く、
「掘り返し」は避けがたい現象のようだ。

 生態系への影響が明らかになる中、道は昨年4月施工の生物多様性保全条例に基づき、
野外に放すことなどを禁じる「指定外来種」の選定に着手。
今年度中に1次指定種を決める。
これに対し、道内の釣り師らからはニジマスの指定除外を求める2万5027人分の
署名が道に提出された。
これを含め、5団体・自治体が指定除外を求めている。

 一方、知床国立公園のある羅臼町を流れる小河川では、
森田氏らの取り組みが効果を上げ始めている。
02年の調査で大量のニジマスが捕獲され、
在来種のイワナの一種オショロコマやサクラマスがまったく確認されなかった川だ。
誰かがニジマスを放流し、異常発生したとみられる。

 川はその後、調査目的の捕獲や釣り人の持ち帰りなどでニジマスが減少。
04年に近隣の小河川からオショロコマを移入してところ、翌年にはその稚魚が確認された。
やがてサクラマスも自然に回復した。

 その後、生態系を分断していた2ヶ所の堰堤に魚道が設置され、
海から戻ったサクラマスの親魚が上流まで遡上。
13年の調査では、サクラマスの幼魚千匹以上、
オショロコマ約100匹が生息すると推定された。
ニジマスは08年以降確認されていない。
もとの環境が戻りつつある。

 ※ ニジマス  
 北米及びカムチャッカ半島が原産のサケ科。
釣りの対象として人気が高いが、生態系への影響が大きいとして、
国際自然保護連合(IUCN)が「世界の侵略的外来種ワースト100」に指定している。
日本には1877年に米国から移入されたとされる。
道内へは1926年に初めて摩周湖に放流された。
一方、ブラントラウトは欧州及び西アジアが原産。
日本には1892年に移入されたとされる。
道内では1980年に初めて日高地方で確認され、急速に分布域を拡大している。
朝日新聞(神村 正史 記者)  

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