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山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
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 羅臼岳の登山口に近い岩尾別川沿いで
花を咲かせるアメリカオニアザミ

    「マメリカオニアザミ」知床

 オホーツク海に突きだす知床半島の先端、知床岬。
冬は流氷に閉ざされ、いまも原生的な自然が残る
世界自然遺産地域の核心地だが、
外来植物の侵略は例外ではない。
  6月末、岬の台地の草原では、アメリカオニアザミの株が数ヵ所に点在し、
地面から放射状に葉を広げていた。

 知床岬のアメリカオニアザミは、2005年に知床が遺産登録される前の食性調査で、
爆発的な増加傾向にあることが指摘された。
当時の調査で観察された岬の外来種は約20種。

 1960年代、灯台工事や観光利用などに関わる人たちによって
持ち込まれたのではないかと考えられている。
 アメリカオニアザミの分布が拡大した要因は、90年代からエゾシカの急増だ。
強風で積雪が少なく、餌場となる草原や林がある岬は、エゾシカにとっては格好の越冬地。
86年には越冬数が53頭だったが、98年には592頭に急増し、
増減を繰り返しながら高密度の状態が長く続いた。

 環境省は「草丈が高い在来の植物がエゾシカに食べられることで、
エゾシカが好まないアメリカオニアザミの成育に適した環境が生まれ、
勢力を拡大していった」と指摘する。

 同省は04年度から5ヵ年で約1490万円をかけ、
グリーンワーカー事業として駆除作戦を展開した。
作業は株を見つけやすい6月末から、他の植物が枯れて再生株や刈り残した株の花を
刈り取れる9月末までの間に設定。
駆除による分布の変化を予測しながら効率的な作業を進めていった。

 岬を6地区に分け、06年度までは年1~2回、07年~08年度はさらに
1地区増やして年1~4回作業にあたった。
当初は台地から林内まで分布していたが、
終盤は赤岩北側以外ではほぼ見られなくなるまでになった。
作業に加わった知床財団の寺山元事務局次長は「草丈2㍍を越すものや草陰に
隠れているものも探しだし、草刈り機で次々に根から刈り取る作業は、
まるで戦争」と振り返る。

 それでも12年度の調査では、赤岩北側や文吉湾、啓吉湾、アブラコ湾周辺の台地や
斜面の計7ヵ所で小規模ながら分布が確認された。
極めて大きい株も点在していた。
風当たりが強く、在来種の回復が遅い場所や、
根元近くからの刈り取りができない場所などの根絶は難しい。

 ただ、04年度に始まったエゾシカの捕獲事業が順調に進み、
12、13年度の越冬数は50頭台と低密度を維持。
アメリカオニアザミも減少傾向で、これに合わせてクサフジやオオヨモギなどの在来種が
姿を現しはじめた。
ササ類も年々草丈を増している。

 一方、エゾシカが好まない在来種のハンゴソウは文吉湾の上の台地で大群落をなし、
他の植物を圧倒している。
エゾシカによって崩れた植生の典型的な姿だ。

 環境省釧路自然環境事務所の寺内聡専門官は
「エゾシカの個体数調整が在来種の回復だけでなく、
外来種の指標とされるアメリカオニアザミの減少という青果をもたらしている。
今後の在来種の回復はエゾシカの低密度維持にかかっている」と話す。

 ※ アメリカオニアザミ  
 欧州原産のキク科の多年草。
北米から輸入された牧草などに混ざって持ち込まれ、
1960年代に北海道で初めて確認された。
本州や四国でも定着している。
葉が地面から直接放射状に出て、全体に鋭いとげがある。
夏に向けて茎が伸び、赤紫色の花を咲かせる。
種子はタンポポのように綿毛で、風に乗って拡散する。
外来生物法では、特定外来生物より1ランク低い要注意外来生物に指定されている。
朝日新聞(奈良山 雅俊 記者)

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