食と健康学“海底の放射能 装置作り調査”

　　東京大生産技術研究所特任准教授
 　　「ソーントン・ブレア　さん(32)」 　

　東京電力福島第一原発事故で出た放射性セシウムは、海底のどこに集まりやすいか。
分布状況を調べている。

　英国出身。
造船学を学んでいたが、海中ロボットを開発したいと2003年に留学生として来日した。
東京大の研究室は
「学生でもアイデアを出すことから、海で実際に使うまで関われる」のが魅力だった。
海底の資源調査用の装置などの開発に関わってきた。

　原発事故後、急きょ勉強会を開いて、放射性セシウムを検出できる計測器を制作。
検出器のほか、記録装置なども付け、長さ約8㍍の筒に入れて使う。
海底に下ろして船で引っ張り、「線」で分布の状況を調べようとしている。

　「今後は線の間隔を狭めて面にする。
ピンポイントで水温や塩分濃度、底の様子の詳しい調査を進めたい」と話す。

　最近は、ロボットや計測器づくりより、
調査で得た情報をどう役立てるかに重みがあると感じている。
「福島沿岸の調査は地元の漁業関係者の生活がかかっている。
セシウムの分布状況を明らかにして正確な情報を提供したい」　
朝日新聞 朝日新聞 (木村 俊介 記者)

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