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山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
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 川岸の遊歩道「至近距離に頭」

 日没が迫った川岸に、霧雨が降っている。
 9月26日午後5時20分ごろ。
札幌市南区の石山を流れる豊平川沿いを、
近くに住む大塚啓子さん(68)は、シバイヌのチャッピーを連れて
散歩していた。

 ヤナギや下草がうっそうと茂る遊歩道脇の林の中に、
クマの頭が見えた。
  目の前2㍍。
「目が合うと危険だと思って、そっと離れたの。チャッピーがほえなかったから、
クマにも気付かれずに済んだ」。
クマは翌日午前、約2㌔離れた南区の真駒内柏丘で、ハンターに撃たれて死んだ。

 体長1㍍ほどだったこの若いクマは、豊平側 河畔林※1を伝って迷い込んだと、
専門家たちはみている。

 人の手が入った河川のそばに、木々は茂りやすい。
「自然の状態ならば氾濫を繰り返す川沿いに木の根は定着しづらい。
上流にダムができ、水量が管理されて氾濫が少なくなると樹林が発達する」。
北大大学院農学研究院教授中村太士さん(54)は指摘する。
豊平川も1972年、上流に豊平峡ダムが造られてから河畔林が広がったことが、
開発局の調査で分かっている。

 河畔林がクマの身を隠す通り道になっていることは「あまり知れていない」と、
北大大学院獣医学研究科の教授坪田敏男さん(52)は言う。
「クマは自分の体をさらすことを嫌う。河畔林の下草を刈るだけでも林の中が
明るくなって視界は広がり、効果はある」

 札幌市内のクマ目撃情報は2011年から急増している。
通り道をしっかり絶たなければ、札幌市街地へのクマの侵入は止まらない。
周辺の山間部で、クマたちが増え続けているからだ。

 頭数を増やし、分布を広げるのに中心的役割を果たすのはメスグマ。
行動範囲が100㌔にも及ぶ雄とことなり、
雌は数㌔四方にとどまって2~3年に1度、1~2頭を生む。
道立総合研究機構環境・地質研究本部((札幌)と札幌市が2003年から続けている
ヘアトラップ調査※2などによると、札幌市街地に近い山間部で、昨年までの7年間に、
少なくとも11頭のメスグマが生息していた。

 初めてメスグマが確認されたには06年。
南区の白川と豊滝に計3頭の雌がいた。
07年も南区の豊滝で新たな雌が見つかった。
08年には、地下鉄東西線円山公園駅から南西に5㌔しか離れていない中央区盤渓でも。
これまで確認された雌グマ11頭のうち、3頭は駆除などで死んだが、
残りは生息している可能性がある。
調査では雄18頭、性別不明1頭も見つかっている。

 調査を進める道総研の企画課長、間野勉さん(53)は、
雌グマ増加の理由として春グマ駆除※3の廃止を挙げる。
 「先人は開拓当初、人里にクマが侵入しないように一丸となって対策を図った。
今の札幌市民は、クマが近くに住む状況を経験していない」。
間野さんは心配する。

 1~2年で母グマと分かれ若いクマは好奇心も旺盛で、とりわけ雄は長距離を歩き回る。
「まちのすぐ横に雌グマが住むということは、親離れした若いクマが、
いきなりまちに『突き刺さる』ということ。いつ事故が起きてもおかしくない」

※1 河畔林
 自然の状態の河川敷には石が多いが、
上流にダムができると氾濫の機会が減ることなどから、土がたまり草木が生えやすくなる。
一般的に5~10年ほどでヤナギやニセアカシアが生え、10~20年ほどで林に。
鳥類などの生息地としての役割がある一方、
洪水時に流木となり橋を傷つける恐れがあり、治水の面からも問題になっている。

 ※2 ヘアトラップ調査
 クマの生息域に有刺鉄線を仕掛け、付着したクマの体毛を採取しDNA鑑定する。
性別や個体の識別ができ、移動範囲や生息数を確定できる。
有刺鉄線は地面から約50㌢の高さに約5㍍四方に張り、
中心部にクマをおびき寄せるための餌をつるす。

 ※3 春グマ駆除  
 1962年の十勝岳噴火による餌不足でクマが人里に多数出没したことを受け、
66年~89年に実施された。
鳥獣保護法に基づく道の許可の下、被害の有無にかかわらず、
クマの生息域で上限を定めずに射殺する。
雪上の足跡でクマを追い込みやすい3~5月に行われた。
クマ絶滅の恐れを指摘する専門家らの声を受け90年に廃止された。 北海道新聞記事

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