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山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
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  氏本長一さん


  
ニッポン「人・脈・記」 朝日新聞
 

 100㌔はあろうという豚が、
一斉に鳴き声を上げて駆け寄ってきた。

 硬い毛に覆われた豚たちは、盛んに鼻で地面を掘り起こす。
この習性で荒れ地を耕してくれるのだという。

 瀬戸内海に浮かぶ、山口県の祝島(いわいしま)。長く放置され、
雑草が覆う耕作地で豚を放牧しているのは、氏本(うじもと)長一(62)。

 「ストレスがないから健康に育つ。なあ、ブー」 
 肉は東京のレストランにも出荷され、ほかの豚とは違う、と食通をうならせる。
 半日もあれば巡れる島は、外周12㌔、人口は500人弱。人々は魚をとり、畑を耕す。
 ハート型の島は、集落は港近くの一つしかない。
細い路地に家が並び、「つくりすぎたよ」と言っては夕げのおかずをやりとりする。
昔からそうやって暮らしてきた。

 1982年海をはさんで4㌔先にある本州側に、
上関(かみのせき)原発の建設計画が明らかになった。

 争いを好まぬ島の人も、この時ばかりは気色ばんだ。
 「海と山があれば生きていける。
でも、その環境を失うことがあったら、島はどうにもならない」。
反対は島民の9割に及び、10億円を超える漁業補償金も拒んだ。

 30年たっても結束は変わらず、建設計画は進んでいない。
その島民の思いとともに、氏本の畜産もある。

 島で過ごした少年時代、氏本は広い大地に憧れた。
北海道の帯広畜産大に進み、卒業後は稚内市役所へ。
畜産を担当し、44歳の時、第3セクターの宗谷岬肉牛牧場で3千頭を育てる牧場長になった。

 が、とまどいも覚えた。
生産性を第一に何千頭も飼うことが農業といえるのか。もはや「工業」ではないか。

 30代で訪ねたニュージーランドの農家での体験が心に残っていた。
目標を聞かれて「高く売れる牛をたくさん育てたい」と返すと、「その金でどうしたい? 」。
答えに窮した。
年代もののトラクターを「お前より年上だが、よく働く」と自慢げに見せる主の顔が輝いて見えた。

 自分なりのやり方を模索しようと、07年に島に戻った。
放牧する豚の餌さは、島民の残飯を利用する。
その量からいくと、飼育規模は30頭。通常の3倍ほど、1年半かけて育てる。

 食を考えることは、生活の足元を見直し、
ひいてはエネルギーのあり方を考えることにもつながった。
氏本は「人間も動物と同じ、自然のなかの一つ。身の程をわきまえて暮らすのがいい」と言う。

 原発計画に対し、反対運動先頭に立ったのは、松江の会社をやめて漁協職員として
戻った氏本のいとこ、山戸(やまと)貞夫(62)だった。
その山戸の長男、孝(35)も大学卒業に大阪で就職した後、00年に島に戻った。

 勤め口が見えない中、6月のある日、10年近く放置されていた実家のビワ畑に入った。
オレンジ色の実がたわわに実っている。
口に入れると、汁があふれ、なんともいえぬ甘みが広がった。
太陽の味とでも言うべきか。しっかり育てたら、農業で食べていけるかもしれない。

 島で生きることを意識したとき「原発とは共存できない」という思いは強まった。
 いま、ビワやヒジキなど、島の産品の販売を進める孝は」言う。
「島できちんと生きていくことが大切です。それは、地域のため、生活のため、
と原発以外の選択肢を示すことにもなる」 昨年1月、山戸や孝、氏本らが中心になって、
太陽光や風力などで電力の自給を目指すプロジェクトが始まった。
「反対」から一歩進み、原発を必要としない生活の提案をしたい。
小さな島から発信する、大きな試みだ。

   「上関原発 建設白紙に」埋め立て免許更新知事認めず

 山口県上関町で中国電力が建設を計画している上関原発について、
山口県の山本繁太郎知事は10月5日、
予定地周辺海域の埋め立て免許更新を認めない方針を明らかにした。
近く免許が失効するため建設に入れなくなり、
建設計画は構想が出てから30年でいったん止まる。
原発は12基の新増設計画のうち東日本大震災後に計画が止まるのは初めてだ。

 埋め立て免許の期間が10月7日午前0時に終わるため、中国電力の担当者が
5日午後に山口県柳井土木建築事務所を訪れ、3年間の延長を申請した。
主な原発施設を建てる用地の海抜を10㍍から15㍍に変える計画も示した上で、
「申請は準備工事を直ちに進めようとするものでない。
政府が検討するなかで当面の現状維持を目的とするもの」と説明し、理解を求めた。

 しかし、申請を受けた後、山本知事は記者団に対して「今の時点では許可できない。
不許可の処分とする」と述べ、免許更新を認めないことを明言した。
理由として「国の政策が明確でない段階で、
土地利用計画も明確に整備することはできない」と語った。

 免許の審査中は失効しないものの、正式に不許可が決まれば失効し、
中国電は町などから埋め立て工事のための仮説橋などを撤去するよう求められる
可能性がある。
工事に取りかかるには、県に再申請して認めてもらわなければならない。

 ただ、山本知事は9月の県議会で「国の方針が定まれば、
国のエネルギー政策に協力姿勢で対応する」と話しており、
政府の原発政策が変われば免許を認める余地も残している。
政権交代などで「原発維持」路線になれば、建設計画が再び動き出す可能性がある。

 中国電力上関原発準備事務所の吉富哲雄所長は5日、
「上関原発は必要だ。国の方針もあるので直ちに進めることはないが、
現状維持をしたい」と述べた。
中国電は免許更新が認められなくても撤回せず、続ける方針だ。

 野田政権は9月にまとめた革新的エネルギー・環境戦略で
「2030年代の原発稼働ゼロ」を目指すことを決め、
「原発の新増設はしない」との方針を打ち出した。
枝野幸雄経済産業相も5日の記者会見で、建設を認めない考えを示した。

 ただ、原発ゼロを懸念する米国や経済界、地元自治体への配慮などから
新エネルギー戦略は閣議決定には至らなかった。
政権交代などで政府の方針が変わる可能性が残されている。

 「上関原発の建設計画」

 中国電力が山口県上関町に原発2基を建設する計画。
1982年に計画が浮上し、96年に中国電力が上関町に建設を申し入れたが、
住民の反対運動で建設に入っていない。出力は1・2号機とも137万3千㌔ワット。

 東日本大震災前は1号機が2018年3月、2号機が22年度中の運転開始を目指して
準備工事に入っていたが、震災で中止し今は2基とも運転開始時期は「未定」になっている。


  「首相、脱原発へ決意表明」

  持続可能なくらしと社会について考える国際シンポジウム「朝日地球環境ホォーラ2012」
(朝日新聞社主催)が10月15日、東京都内で2日間の日程で始まった。
 野田佳彦首相は冒頭のスピーチで「日本発でグリーンエネルギー革命を成し遂げる」と述べ、
脱原発に向けて省エネ徹底や再生エネルギーの導入拡大を進める決意を表明した。

 東京電力福島第一原発事故について、首相は「これまでの政策に無数の反省をもたらした。
原発に依存しない社会を実現したいとの思いは多く国民に共有されている」と指摘。
9月に政府がまとめた「2030年代に原発稼働ゼロ」をめざす新戦略に沿って、
エネルギー政策を転換する考えを改めて示した。

 その課題として、原発の立地自治体や国際社会の理解、技術革新などを挙げ、
「面舵いっぱいを切り、果敢に挑戦する」と強調。
省エネ機器などの普及を後押しする政策支援や、風力など再生可能エネルギーの導入拡大に
必要な送電網の整備に取り組む考えも示した。
また、原発ゼロを進めた場合の地球温暖化対策については「努力を尽くしても、
原発でまかなうことを想定していた二酸化炭素排出の抑制を代替するのは難しい」との
認識も示した。

 フォーラムでは脱原発の課題のほか、天然ガスや再生可能エネルギーへの移行など
世界で進むエネルギー利用の転換などがテーマになる。
初日のパネル討論では、こうした流れが国際政治や経済、環境保全、
生活のあり方をどう変えていくのかを探る。

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