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山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
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        自然放牧貫き「30年」岩手県  

 
1本千円近い牛乳が注目を浴びている。
岩手県の山奥で24時間365日、自然放牧の「中洞(なかほら)牧場」で搾った牛乳。
効率は悪くても、業界の常識とは一線を画して30年以上。
IT企業と連携し、東京や名古屋に専門ショップを開いた。

 6月上旬、東京・銀座の松坂屋銀座のフロア。
中洞牧場の専門店で、牛乳を試飲した千葉県市川市の梅津誠さん(60)は
「べたついた後味が残らず、のみやすい」。
普段から有機栽培の野菜など健康に気をつかっている。
「自然放牧なら安心。高くてもそれだけの価値はある」と牛乳を買った。

 記者も1本(720㍉リットル、972えん)を飲んでみた。
牛乳瓶の上の方で乳脂肪分が固まり、これが生クリームのようにおいしい。
牛乳はコクの中にも、さらっとした飲み口だ。

 牧場は、盛岡市から車で2時間の岩手県泉町にある。
標高700~850㍍。
牛は起伏に富んだ牧場をゆったりと歩いたり、青々とした野シバをはんだりしていた。
朝と夕方になると、搾乳舎に集まってくる。

 50㌶の広さで、70頭の乳牛が放牧されている。
受精や分娩も自然まかせ。
糞は肥料になる。
真冬はマイナス20度まで下がり、雪に埋もれながら牛は歩き回る。

 牧場は、中洞正さん(61)が1984年に始めた。
「山地酪農」とよばれる。
大学時代、この酪農法を紹介するドキュメンタリー映画に共感したのがきっかけだ。
「おいしい牛乳は幸せな牛からできる」という信念のもとやってきた。

 日本の酪農は一般的には、牛を牛舎で育て、
乳量を増やすため輸入穀物で作る配合飼料を与える。
農林水産省によると、放牧を一部でも採り入れる酪農は全体の3%で、
一年中放牧するのはほとんどない。
山地酪農は、中洞さんによると岩手や北海道、高知など全国で数戸に過ぎない。

 牛は斜面のある牧場を上り下りするため、足が強く、健康的だ。
乳脂肪分は草の水分の多い夏場は3・5%と低くさっぱりし、
冬は4・5%まで上がったやや濃くなる。
65度で30分間の「低温殺菌」にこだわっているため、牛乳本来のさわやかな風味が残る。

 ただ、効率的な方法ではない。
配合飼料を与えた牛と比べ、1頭あたりの搾乳量は半分にも満たない。
放牧頭数も、草が食べ尽くされないよう限りがある。

 当時は農協に出荷していたが、夏場は乳脂肪分が低くなるため、安く買いたたかれた。
通常取引の半値以下だったこともある。

 山地酪農に取り組むほかの酪農家が悲鳴を上げ、
撤退する中、中洞さんは消費者に直接届ける宅配に挑んだ。
口コミで広がり、都市部からも注文が入るようになった。

 廃業の窮地 IT企業が救った
 中洞さんは、窮地に立たされた苦い経験がある。

 2005年、「任せてくれれば、売り上げを2、3倍にできる」と、
ある投資家が販売会社を立ち上げた。
中洞さんは乳量を増やすため、隣の宮古市の山中に第2牧場をつくった。
だが、短期間でそれに見合うだけの販売先が増えることはなかった。
07年に第2牧場、牛乳製造プラントを「9円」で手放した。

 もとからあった牧場は残ったが、製造プラントがないため、
搾った牛乳を捨てる日が2年ほど続いた。
牧場経営から身を引くことも考えた。
そんな時、インターネット電話などの情報通信サービスを手がける
「リンク」(東京)が支援に名乗り出た。
ネット販売で牛乳の取引があり、「もうけはなくても、
山地酪農を絶やすわけにはいかないと思った」と岡田元治社長(59)。
リンクの資金で、製造プラントを新たに建設。
販売はリンクが担うことになった。

 リンクは牧場のホームページをつくり、山地酪農の魅力を訴えた。
牛乳だけでなく、岩手県産の山ぶどうを使った飲むヨーグルト(500㍉リットル864円)など
乳製品の品数を増やした。
売り上げは11年度が8千万円だったが、13年度は2倍以上の1億8千万円に増え、
採算ベースに近づきつつある。
東京都と名古屋の百貨店に、三つの専門店を出すなど新たな客の掘り起こしにも力を入れる。

 中洞さんが今、力を入れるのは山地酪農を実践する若手の育成だ。
牧場の研修棟には、年300人ほどが訪れ、数日から数ヶ月間、山地酪農を体験する。
牧場のスタッフは、大阪や神奈川などから集まった。
22~36歳の男女9人が住み込みで働いており、将来、山地酪農での独立を目指す。

 山地酪農は国土の3分の2が森林で平地の少ない日本に適した酪農だと、
中洞さんは考える。 荒れた山に牛を放てば、
下草狩りの代わりとなり、森林の保全のもつながる。

 貿易自由化の波を背景に、農業も大規模化や効率化が必要だといわれる。
だが、中洞さんは「安く大量に」だけでは、外国産に勝てず、酪農に未来はないとみる。
「自然放牧の牛乳に付加価値を感じる消費者はますます増えるだろう」と言う。

  朝日新聞 記事

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