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山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
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   完全放牧で牛を育てる駒谷牧場の
 西川奈緒子さん  

      完全放牧の「ジビーフ」  

 舌にとろける霜降りはゼロ、肉の色はカモに似た深紅。
あっぱれなほど、かみごたえがある。
「完全放牧」で育った牛の個性は、全てが肉の売れ筋から外れている。

  それでも育てる ―。
そんな牧場主の挑戦に心を動かされた人たちがえぞ梅雨のなか、
北海道・様似町の原野にバスを走らせた。

 目的地の駒谷牧場は、日高山脈の南に広がる。
一行は、京都や東京のイタリア料理シェフや焼肉店主、長寿研究の医師、
黒毛和牛のベテラン農家ら37人。
山あり谷ありの200㌶の牧場内で、汗をぬぐいながらアンガス牛の群れを追う。
牛が斜面を駆け上る姿に目を見張る。

 牧場主で獣医師の西川奈緒子さん(44)が、32頭の牛を一人で管理する。
「自分に味方が現れるとは、一年前は想像できませんでした」

 最盛期は800頭規模だった牧場を父から引継いで18年。
景気の波と、サシの入った肉を安く欲しがる流通側に、経営は圧迫され続けた。
同じ獣医師の夫(45)は、60㌔離れた別の牧場に単身赴任して生活を支える。

 「牧場を閉じるなら、本当にやりたいことを試したい」。
動物本来の育ち方をした健康な牛は、
流通側が評価する肉とは別のおいしさがあるのではと考えた。
2011年、9頭だけ残した牛で完全放牧に踏み出した。

 草や沢水を探す。 お産や子育ては母牛任せ。
雪の季節も牛舎につながない。
肉の格付けでは低くなるが、「草だけで育った肉の味を、私も知らない。
問いかけてみたい気持ちがありました」。

 滋賀県草津市の精肉店「サカエヤ」の新保吉伸さん(52)は昨夏、
初出荷された西川さんの牛の肉を手に取った。
肉に触れた手を洗っても、草のにおいが残る野生味に驚いた。

 生産者と調理人、食べる人を巻き込んでネットワークをつくっている。
今回の牧場訪問もその一環だ。
「顔の見える関係では、うそのある仕事ができない。しんどいけど、互いに伸びる」。
牛海綿状脳症(BSE)問題で、牛肉全体が信頼されなくなった時の体験が背景にある。

 「ジビーフ」。
新保さんは西川さんアンガス牛を、野生肉を指すジビエとかけてそう名付けた。
牧場を歩いたシェフ(47)は「牛の姿を思い浮かべて料理し、ワイルドに食べてもらいたい」。

 その1週間後、西川さんは草地にまく種を探していた。
「餌の食い込みが足りない。好きな草を増やしてあげて」と助言されたからだ。
「牛の親があちこちにできたみたい」と声は弾む。
肉質の向上と、月1頭の出荷をめざす。

 ジビーフの味をうまく伝える言葉が浮かばない。
「鹿肉に似ている」というと、鹿肉に負けてしまう。
ただ、「また食べたい」。 時間が経つほど、そう感じる。

  ※  赤身肉
 どんな肉をどう育てるかで肉質は変わる。
日本の牛肉生産は、1991年の牛肉輸入自由化から、
トウモロコシなどの輸入穀物を多給し、
やわらかく脂肪の多い肉をつくる霜降り路線を突き進んだ。
昨年の統計では、農家の飼う肉用牛約260万頭のうち約170万頭を黒毛和牛が占める。

 そこへ最近、赤身肉の人気が高まっている。
健康志向や高齢化が理由とされるが、
むしろ肉好きの消費者が脂肪の少ない肉を量もたっぷり食べたいというものだ。
黒毛和牛ではロース以外の部位が見直され、うまみを増す熟成技術の研究も盛んだ。
アンガス牛と同じように放牧に向き、
赤身肉主体のあか牛(褐毛和牛)や短角牛にも光が当たり始めている。
 朝日新聞 (長沢 美津子 記者)

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