食と健康学“雨の日も毎日手を振り 3ヶ月”

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警視庁の車に手を振る広野あみさんと諒君。

　　「福島の姉弟　峠の応援団」

　
　福島県の沿岸部を被災地と福島市を結ぶ国道114号沿いに毎日朝と夕、
小学生の姉弟が立っている。

　福島市立青木小学校6年生の広野あみさん(12)と4年生の諒君(10)。
行方不明者捜索などで行き来する警察や自衛隊の車両に手を振り続け、3ヶ月になる。

　夕方、福島市飯野町青木の峠道。
警視庁のパトカーが来た。
2人はカレンダー裏に書いた「おかえり！！」「いつもありがとう」のメッセージを急いで広げ、
手を振って「お疲れさまでした」と大きな声をかけた。
警察も手を振り返した。

　始業式だった4月6日、通学路の国道114号は全国から派遣された警察と
自衛隊の車両が連なり、横断できないほどだった。
「大きくなったら、人を助ける仕事がしたい」という諒君が、
登校前と下校後に手を振るようになった。
やがてあみさんも加わった。

　車が多く通る時間に合わせ、
平日は午前6時20分と午後4時半からそれぞれ1時間余り国道脇で待つ。
1日も欠かさず、雨の日はカッパを着て立つ。
手作りのメッセージボードは雨に濡れ、今は五つ目。

　「警察や自衛隊の人が手を振ってくれるのがうれしい」とあさみさん。
活動の最終日に車から降り、記念撮影をしてくれる警察官や自衛隊も多い。
2人の自宅には各地からたくさんの写真や手紙が届く。
警視庁第6機動隊は「時にはつらい時もありますが、
諒君とあみちゃんが応援してくれたおかげで、
とても勇気づけられました」とお礼を書いた。

　「2人の根気には脱帽です。好きでやっているから苦にならないんでしょう」と母親の
清美さん(36)は見守る。
夏休みもしばらく続けるというが、最近は支援部隊の撤収が進み、
1台も通らない日がある。

　「それはそれで、いいことなんだよね」と親子で話し合っている。

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