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山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
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   「肥山 詠美子(えみこ) さん(42)」


 
2人旅なら気楽でも、3人以上になると、行き先すら決まらなくなる。
「数が増えると、とたんに面倒になるのは、人間関係も物理も同じです」

 太陽と地球の関係から、それぞれの運動を解くのは容易でも、
月を含めた三つの関係を解くのは難しい。
こうした物理の難題「多体問題」を、原子核の中の複数の粒子について計算して、
猿橋賞を受賞することが決まった。

 福岡市で生まれ育った。 勉強は苦手だった。
小学生の時は「引っ込み思案でうまく質問できなかった。
3年生の通知表は19項目中12項目が最低ランク。
40人学級で39番目の成績だった。

 見かねた母キヌ子さんが毎日勉強をみてくれた。
台所からジャガイモを持ち出し、1㌢角に刻んだ。
2人で1個ずつ、箱に並べると、体積を求める計算式の意味が瞬時に理解できた。
その晩のご飯はカレーだった。

 九州大に進み、2001年、世界に躍り出た。
半年掛けて、未踏だった粒子4個での計算に成功。
理化学研究所の准主任研究員として学生ら10人を率いる今、
「20個で計算したい」と意気込む。

 毎年、5月の連休に母と海外旅行に行く。
今年は受賞のため、ロサンゼルスへ行けなくなった。
電話でわびると、「かわりに東京の授賞式に行くから」。
弾んだ母の声が何よりうれしかった。 朝日新聞

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