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山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
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   「函館市熱帯植物園」

 3月に入っても北海道は厳しい寒さが続く。
そんな時はやっぱり温泉。
といっても、主役は人間ではなく、おサルさん。
さあ、サルの「温泉物語」のはじまり、はじまり― 。

 ちらつく雪の下、気持ちよさそうにお湯につかるサル。
映像や写真でその姿を見るたびに不思議に思っていた。
バスタオルで体を拭いたりドライヤーで毛を乾かしたりしないのに、
なぜ彼らは湯冷めしないのか。
長年の疑問を携え、サルの湯あみで有名な函館・湯の川温泉にひとっ飛びした。

 サルたちは温泉街の一角にある函館市熱帯植物園にいる。
温泉熱を利用した温室で熱帯の植物を育てようと、1970年に開業。
子どもも楽しめる施設にしたいと翌71年、
本州からニホンザルを20匹連れてきて開いたのが「サル山」だ。
10畳ほどのプールを造り、園内にある泉源から湯を引いてみたところ、
いつしか一匹、また一匹と入り始めたらしい。

 門をくぐるとすぐ、湯の中で互いに毛繕いするサルの姿が目に飛び込んできた。
止まり木から湯の中へジャンプして遊ぶ元気な小ザルたちもいる。

 オス35匹、メス61匹の合わせて96匹。
ボスザルは先代が4年ほど前に死んで以来、不在だという。
代わりに群れを仕切っているのが、ベテラン飼育員吉村義弘さん(74)が
「ばあちゃん」と呼ぶメスザルだ。

 「海の男」から転身して15年。
吉村さんの一日は、ばあちゃんに好物のリンゴを一つやることから始まる。
「人間で言えば百歳ぐらい。貫禄があって、
特別扱いされてもねたまれない。とっても偉いんです」

 ばあちゃんは、お風呂の縁に両手でつかまって居眠り中だった。
30分、40分、50分・・・。 いっこうに湯から上がる気配はない。

 吉村さんは口から、驚くべく言葉が飛び出した。
 「冬の間はみんな、ずーっとずーっと、入りっぱなしなんですよ」

 温泉の奥の屋内にサルの居住区はある。
でも、暖房がなく寒いのだという。
もともとニホンザルの北限は青森県とされ、寒さはあまり得意ではない。

 湯冷めしない秘密は、ずっとお湯に入り続けることだったのだ。
泉源の温度は65度ほど。
水を足して調節するが、吉村さんによると、サルの好きな温度は41度。
一方で、人間同様、「お風呂嫌い」もいるという。
決して湯に近づこうとせず、身を寄せ合って寒さをしのぐ。

 吉村さんがとても申し訳なく思っているのは、週1回のお風呂の清掃日だ。
お湯をすべて抜いて、入れ直す。
しかし、お湯がひたひたになるまで一晩かかる。
「節水」のため、蛇口を絞っているからだ。

 その昔、豊富な湯量を誇った湯の川温泉は、現在、泉源が枯渇気味だという。
「サルごときにじゃぶじゃぶ使って」と温泉街から苦情を言われないよう、
ちびちびとお湯を出す。
湯船の半分ぐらいまでお湯が入ると、もう待ちきれない。
われ先にとお湯に入って寝そべる姿を見ると、「寒い思いをさせてごめんねえ」。
吉村さんは心の中でサルたちにわびる。

 温泉ザルは、長野県山ノ内町の地獄谷野猿公苑でも見られる。
しかし、ここは人里から2㌔離れ、冬は雪道を30分ほど歩く。
しかも、湯につかっている姿を見られるかどうかは「サルの気分次第」だという。

 それに対し、函館空港から車で5分、12月から5月の連休まで
入浴風景を楽しめる熱帯植物園は、外国人観光客に大人気だ。
冬期は入園者の8割近くを外国客で占めるという。

 熱帯植物園は今、岐路に立たされている。
開業から40年余りを経て施設は老朽化。
大規模改修に伴う財政負担が問題となることから、
函館市は昨秋、熱帯植物園の存廃議論を始めた。

 もし「廃止」となった場合、サルたちはどうなるのだろう。
どこかに引き取ってもらえるのか、温泉で幸せをかみしめる生活を続けられるのか ―。
今月末で退職予定の吉村さんは、気が気でならない。 朝日新聞(日比野 容子記者)

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