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山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
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    「大塚 洋一郎 さん(60) 」
    農商工連携サポートセンター代表

 ― どうして官僚を辞めて、NPOを立ち上げたのですか。

 役所で色々やらせたもらい、面白かった。
でも大臣審議官になって次は局長となると、現場から離れてしまう。
このまま調整役を続けるのかと悩んでしまいました。
政治家の朝食会で説明の順番を待っていたら、
当時、年金問題で苦労していた厚生労働省の役人らが終わって出てきました。
その顔が疲れ切って、どす黒く見えたんですよ。
もう役人は続けていかないと思い続けていました。
そのころ、経済産業省でソーシャルビジネスの担当もしていて、
社会を良くしようと生き生きと活動する人たちにたくさん出会った。
話を聞いているうちに、こっちの明るい世界に行きたいと思ってしまいました。
でも、妻は反対。3ヵ月間、口をきいてもらえませんでした。

 官僚を辞めます

― NPOで何をしょうと考えたのですか。

 役所を1年後に辞めますと宣言したときには具体的なことは決めていませんでした。
最後に作った法律は農商工等連携促進法。
当時の大臣が「これからは地域活性化のため経産省も農業をやろう」と号令をかけ、
初めて農業分野に取り組んだのです。
農業の生産分野と商品開発、流通をつなぐ仕組みを作った。
農業のNPOに誘われて耕作地の開墾作業も体験したのですが、しびれました。
体を使いすがすがしい喜びを感じました。
それまで宇宙や海洋開発に携わりましたが、どこか遠い世界のことで象徴的。
農業は人の生活に密着している。
食べることと作ることがつながると、生きている実感がわく。
農業体験を都会の人にしてもらい、生産者と消費者を
つなげたいという思いが生まれました。

― ご自身は農業をやったことはないんですよね。

  全くの素人。
みんなから「大丈夫か。全然知らないじゃないか」って心配されました。
「それが強みになる。どっぷりつかっている人には見えないことがあるんだ」と、
まあ、負け惜しみも含めて言ってました。
でも本当ですよ。
 宮城の被災地で塩に強いトマトを植えませんかと言った時も
「なに、ばかなこと言っとんじゃ」と断られ、農家を探すのが大変でした。
そんな気持ちになれないという時期ではありましたが、
無理だと考える人が多かったんです。

 リーダーが出る

― 農業で地域の活性化とは、どうやってやるのですか。

 まずは地域の人と集まって、どんな魅力があるかを書き出しながら話し合います。
牛がいる、花が咲いているとか。
魅力の再発見は、よそ者だからこそ気がつく。
それをどう特徴づけるのか。
話し合っていると、リーダーになる人が出てきます。
その人を中心に、都会から人を呼ぶ方法や新しい商品開発について話を深めていきます。
やりたいことがまとまったら、こうゆう補助金が使える、
そのために設立協議会を作って申請の書類を整えようとか、
具体的なステップを手伝います。
使える補助金はいっぱいあるのですが知られていないものが多いのです。

 ― 日本全国の過疎化に悩む地域では、若い人もいないし、
立ちゆかなくなると悩んでいます。

 「何とかしないと」と真剣に思う人がリーダーになっていきます。
強いリーダーシップのイメージで考えると、そんな人はいないと思ってしまう。
あのね、すごいのは女性ですよ。
男はダメだね。
理屈っぽいし、口が先に動く。
経験としがらみがあるから、新しい行動はしない。
女性は体が先に動くし、手も動く。
おばちゃんたちは「まずは作ってみましょう」と料理を色々生み出す。
頼りになりますよ。
チームを組んで名前をつけるんです。
ケチャップやポン酢などトマトの特産品を作った
愛媛県西伊予市の遊子川(ゆずかわ)の女性たちは「ザ・リコピッンズ」。
おそろいの緑のバンダナと赤いTシャツを着て、表に押し出していくと喜んで働きます。
一体感が出て熱いパワーが生まれてきます。
女性のアイデアから、新しい商品が作り出されることが多いです。

 ― 生み出した新商品を、どうやって売り出すのですか。

 人と物を双方向で交流させるとことが大事です。
土地の魅力を知ってもらうために、農業体験のツアーでまず訪れてもらい、食べてもらう。
行った地域の特産品を都会でも買えるように、
東京都千代田区と全国の産地市町村が連携して
「ちよだフードバレーネットワーク」を作りました。
県のアンテナショップや大手の店では売れる商品しか置いてもらえません。
小さな市町村の特産品の店「ちよだいちば」(千代田区神田錦町2-7、平日午前11時半~午後6時)でなら販売できます。
毎月1回、「いちばのちょい飲み」も開きます。
毎回一つの地域の人が来て特産品で料理を作り、
客が食べて飲んで地域を知ってもらう会です。

 常連のお客さんも増えてきました。
「おいしかった」「子どもが野菜をいっぱい食べてくれた」などと言ってくれます。
「ありがとう」って感謝されるのは、本当にうれしい。
役人の仕事はもちろん大事だし日本全体の役に立っていますが、実感はありませんでした。
今は目の前で、喜ぶ顔が見られます。 小さな店だけど、大きな手応えを感じます。

  プロフィル
★ 1954年、東京都府中市生まれ。
  北海道大学工学部原子工学科を卒業し、
 同大学研修過程を経て79年に科学技術庁(当時)に入庁。
★ 2002年、文部科学省の宇宙開発利用課長に。
  小惑星探査機「はやぶさ」の打ち上げに携わった。
  海洋地球課長として地球深部探査船を手がけ、米ワシントンに3年滞在。
★ 07年、経産省に異動し大臣官房審議官に。
  農商工等連携促進法の策定から施工、運用を手がける。
  09年7月14日に経産省を退職。
  同29日、農商工連携サポートセンターを設立。
★ 妻るりこさん(59)は北大の英語部の後輩。
  ひと目ぼれだった。
 役所を辞めることに大反対したが、NPO設立を前に
「今まで家族のために働いてきてくれた。これからは私が恩返しします」と言ってくれた。
薬剤師として家計を支えている。
 息子が2人。
★ サポートセンター愛媛事務局の米田佳代子さん(57)は
「官僚を辞めてはじけちゃって楽しそう。 コンサルタントと違うには、
自分と地域の人たちと同じことをするところ。一緒に考えて寄り添っていく人です」。

朝日新聞記事

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