忍者ブログ
MASTER →  ADMIN / NEW ENTRY / COMMENT
山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

                       「豊富温泉」北海道・豊富町

 ほんのりと黄濁した湯に、うっすらとにじむ油膜。
絡みつくような石油臭が漂う。

 豊富温泉(豊富町)は大正時代、石油の試掘中に
天然ガスとともに噴きだした。
油分に含まれるタールに抗炎症作用があるとされ、
皮膚病の乾癬やアトピー性皮膚炎の
患者らに知られるようになった。
近年は、全国から湯治客が訪れる。

 「湯快宿(ゆかいじゅく)」。
温泉地の一角に町営の保養宿泊所が建つ。
滞在費を安く抑えたい湯治客向けに、1999年にオープンした。
浴場はないが、歩いて数分の所に町営の日帰り入浴施設がある。

 湯快宿の管理人を務める高橋亮さん(46)も、
アトピー性皮膚炎に苦しんだ元湯治患者の一人だ。
日高町出身。
子どものころから肌が弱く、塗り薬が手放せなかった。

 東京でシステムエンジニアをしていた30歳のころ、症状がひどくなった。
「寝ている間に顔の肌が切れ、布団が血だらけになる。外に出られない日もあった」。
仕事に支障が出るようになり、退職。
実家に戻って療養中、医師の薦めで豊富温泉を訪れた。

 「半信半疑だった」が、湯快宿に2週間滞在すると効果を実感。
その後も定期的に湯治に通い、7年ほど前に症状がほぼ抑えられまでになった。
2008年、湯快宿の前任の管理人が引退することになり、
「自分の闘病体験や湯治経験が役に立つ」。
3代目の管理人を引き受け、そのまま町に移り住んだ。

 湯治客は20~30代の若者が大半を占める。
会社を辞め、湯治に専念する人も少なくない。
昨年はネットで評判を知ったという台湾の親子も泊まった。

 「重症化すると外出がおっくうになり、昼夜が逆転した生活になる人もいる。
『怠けている』と見られ、家族にも完全には理解してもらえないつらさがある。
高橋さんは言う。
自身の実感でもある。
「患者同士が悩みを打ち明け合い、共感できる居場所が必要だ」

 湯快宿の事務室には「談笑室」のプレートがかけられ、扉はいつも開け放たれている。
「仕事を辞めなければならなくなった」「結婚をあきらめた」。
悩みはどれも重い。
高橋さんは「自信を持って。大丈夫」と包み込む。

 「患者として苦しんだ自分だからこそ、支えられることがある」。
自分の経験を、これからも伝え続ける。

   「こんなところ」  
 湯快宿は皮膚疾患の療養専門で、全7部屋。
食事は出ないが、自由に使える自炊室がある。
1室を1人で使うときの宿泊料は夏季(6~9月)大人1泊2050円(高校生以上)、
子ども1740円。
冬期(10~5月)は暖房費として1人500円が必要。
湯快宿の至近に町営日帰り入浴施設「ふれあいセンター」があり、
一般用とぬるめの湯治用の2種の浴場を備える。
館内には湯治経験があるスタッフが湯治方法の相談や短期アルバイトの紹介など
要望に応えるコンシェルジュ・デスクを設置。
毎年、全国の患者同士が交流する「アトピーフォーラム」が開かれている。
朝日新聞 (滝沢 隆史 記者)

   新「湯快宿」オープン 4月1日

 全国から湯治客が訪れる豊富町の豊富温泉に今春、新しい町営宿泊施設
「新・湯快宿」がオープンした。
古い木造の旧施設から、民間ホテルを全面改装した4階建ての新宿に生まれ変わった。
 同温泉に含まれるタール分には抗炎症作用があるとされ、
アトピー性皮膚炎などに悩む患者らが多数訪れる。
周辺は「最北の温泉街」としてにぎわったが、次々と宿泊施設が廃業。
町は1990年、長期間滞在する湯治客用の格安宿として旧施設を開設した。

 新施設は、鉄筋コンクリート造り地下1階地上4階建てで、
シングル16室とツイン3室を備える。
内風呂はないが、約150㍍先に町営の日帰り入浴施設「ふれあいセンター」がある。

 自炊しながら長期間滞在する湯治客のために、
室内には携帯ガスコンロが使えるミニキッチンと、簡単な調理用具一式も常備。
湯治客はたくさんタオルを使うため、大型ハンガーを置いたり、
別に洗濯室を設けたりと細かい配慮もされている。
宿泊料はシングル1泊2500円(旧施設は2050円)、
ツイン4千円で、10泊以降は割引される。

 宿の管理人を勤めるのは、旧施設で務めていた高橋亮さん(47)。
 「今月1日のオープン以来、問い合わせや予約の電話が鳴り続けています。
すでに大型連休も予約で埋まり、中には9月まで泊りたいという人もいました」と
好調な滑り出しを喜ぶ。

 ただ、同じ悩みを持つ湯治客が談笑する公共スペースがないため、
「満室でなければ、1階の1部屋をみんなの集まれる場所にしたい」と言う。

 新・湯快宿オープンは、町が勧める温泉活性化計画の具体的な第一歩だ。
今後、周辺では、ふれあいセンター改修や農産物加工施設などの整備が進むほか、
民間宿泊施設の改修も予定されている。

 同温泉の老舗「川島旅館」を経営する松本康宏さん(39)は
温泉活性化委員会の創設メンバーだ。
新・湯快宿スタートを「ここ10年間の活動の成果が実を結び、
やっと第一歩を踏み出したという感じ」と祝福。
8月には川島旅館の建て直しも始める。

 ただ同旅館の集計では、宿泊客の主体は観光で、湯治客は3割ほど。
今後は温泉の美肌効果を前面に出し、女性など新規顧客の開拓をめざすという。

 同温泉の「効能」の評判は国内にとどまらない。
数年前から韓国、台湾、ロシアなどの「湯治客」が姿を見せ始め、
昨年は10組ほど滞在したという。

 新・湯快宿が「最北の温泉街」復活の第一歩になるか?  朝日新聞(宮永 敏明 記者)
 

生活習慣病の改善にサン ケミストフーズのカバノアナタケを、お試しください。

酵素培養・カバノアナタケ製品 無料サンプル・カプセル(菌子体 5 カプセル 菌核 5 カプセル)を
追加致しております。

サン ケミストフーズ関心空間
PR
Comment
この記事にコメントする
お名前:
URL:
メール:
文字色:
タイトル:
コメント:
パス:
忍者ブログ [PR]