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山親爺@Black-Bearが、日々の活動と体験雑学を綴っていす。
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     「大木 聖子 さん」  防災教育で全国を回る地震学者

 ― 防災授業、子どもたちは大はしゃぎですね。
 「楽しい」のがコンセプト。
楽しければ子どもは行動に移します。

 ― 従来の避難訓練を変えるとは、どういうことですか。

 サイレンが鳴って「机の下に入りましょう」と放送が流れ、
校庭に避難するのが今までの訓練。
でも実際の地震は教室にいる時に起こるとは限らない。
私自身、小学生だった1987年に都内で千葉県東方沖地震を経験しました。
体育の時間で跳び箱を運んでいた時に大きな揺れが来て、
どうすればいいか分からなかった。
子どもが自分で危険を判断して身を守る行動をしなければいけません。

  ― 具体的にはどうしますか。

 まず1時限を使って事前学習をします。
身の回りの危険を考え、三つの「ない」を探す。
地震では、上や横から物が「倒れてこない」、落ちてこない、
移動してこない」場所なら死なない。
その後、緊急地震速報の音を流し、とっさに身を守る短い訓練をします。
あとは、音楽や家庭科かなど特別教室での授業中や掃除、
給食の時間などに10分程度繰り返す。
何度も体を動かすと、机の上の給食の皿より天井のエアコンの方が危険だと
子どもは自分で判断できるようになります。
意義を理解してもれえるよう、先生への研修もやります。

   「人に興味がある」

 ― 阪神大震災をきっかけに地震学者を志したのですね。

 生き物が好きで、子どもの頃は生態学者になりたいと思っていました。
でも、東京の家で自分は熱々の夕食をとりながらにニュースを見ていたのに、
テレビの向こうで、食べ物もなく、家族を探して泣き叫んでいる被災者の姿に衝撃を受けた。
その晩に「地震学者になる」と決めました。

 高校3年の時の担任の先生に、
「お前は人に興味があるから地震学者は無理だ」と言われたことがあります。
結局、その折衷案のような仕事に落ち着いてのだから、先生は正しかったと思います。

  ― 専門語をほとんど使わずに地震の話をしますね。

 分かってもらえるように話すことは昔から嫌いじゃありません。
大学院ではテコンドー道場に通っていて、勉強嫌いの男の子たちに地震の話をしました。
専門以外の人と触れる機会が多かったこともいまに通じているのかもしれません。

  ― ネットメディアに「美人すぎる地震学者」と取り上げられました。

  メディアは女性研究者を外見でもてはやします。
 地震・火山分野の研究に進む女性は少なかったので、
大学院の時から「女子が来た」とよく言われました。
自分ではあまり気にしていませんでしたが、
「大学の先生=白衣のおじさん」という世間のイメージと違ったので、
インパクトがあったのかもしれません。

 ただ、女性を強調したテレビ出演などの依頼は、お断りしていました。
カメラの向こうに地震で大切な人を失った人がいることをいつも忘れないようにしています。
これは、男だったとしても変わらない自分なりの一線です。

  「世が求める地震学」

 
― 講演では家具の配置や避難所のトイレ事情まで話しますね。

 アウトリーチを始めた頃は理学へのプライドがあって、
「防災のお姉さん」にはなりたくないと思っていました。
でも、一般の人や友人からは、予知できるのか、防災グッツは何が必要か、
家具はどう止めたらいいか、と聞かれる。
求められるままに知識を吸収して、今の形になりました。

 世の中が求める地震学と、学問としての地震学の間には大きなギャップがあります。
「社会地震学」みたいに、みんなが知りたいことに応える地震学を作りたいです。

  ― 防災教育の分野では、群馬大の片田敏孝教授や京都大の矢守克也教授など、
工学や心理学の立場で取り組む先駆者がいます。

 「命を助ける」ことを中心に置いて活動する、尊敬する研究者の方々です。
今夏には矢守研究室などと合同合宿も行いました。
防災は学際的な分野で、多様性が必要です。
心理、建築、工、教育など色々な武器を持った人が取り組むことで、
すき間を埋めていけるのだと思います。
「子どもに伝えるプロ」である学校現場の先生たちも、私にとって最高の仲間です。

  ― 防災行動の大切さはわかっても、なかなか実践できません。

 「知識があっても行動に移さなければ意味がない」と東日本大震災後に切実に感じました。
毎年、慶応大の授業で、学生に自分ができる地震対策を書かせています。
LEDライトを買う、ハザードマップを確認するなどと書いた約50人の学生に
翌週確認すると、実際にその通り行動した人は2人くらいしかいない。
ではなぜ、その2人は行動できたか。
聞けば、親が買った防災グッツが家にあったなど、外的要因がありました。
人が行動に移すためのファクターを探すのが今の研究テーマです。

  ― 「大切な人」の存在がファクターになると強く感じています。

 私自身、家族が増えることでより実感しています。
あの「つわり」を乗り越えて生まれてきた命なのだから、どんな命も無駄にしてほしくない。
大切な人を思って、一人ひとりが生き残ってほしいのです。

  大木 聖子
★ 1978年大阪生まれ。  東京都足立区で育つ。
  建築家の父と専業主婦の母の次女で祖父は宮大工。
  名前には「耳から聞いたことを言葉にできるように」と両親の思いが込められた。
★ 生き物が好きで、生き物に囲まれて育つ。
  中学2年の時、母親にもらった『教室ではおしえない地球のはなし』(島村英紀著)を読み、
 地球に興味を抱く。
★ 2001年北海道大卒。  06年、東大大学院で理学博士号を取得。
★ 13年、平安時代の貞観地震などを研究する
 産業技術総合研究所の穴倉正展さん(45)と結婚。
  「地震や津波で死者を出さない」と志を一つに。
 初デートは立川断層での地形観察、新婚旅行は宮古島で津波石を見た。
 「正しいと思ったら絶対に引かない、エキセントリック女性」と穴倉さん。
★ 東大地震研で広報の担当室長だった纐纈一起教授(58)は
 「実践者である前に研究者であることも考えて」と厳しい一言も。
  「でも、現場の先生とよく話し合って今の形にたどり着いたのは、彼女らしさかな」
★ 著書に『地球の声に耳をすませて』(くもん出版)など。

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